あなたは、MVP開発という単語は聞いたことがあるが、具体的にどういう意味なのか、詳しく知りたいと考えているところではないでしょうか?
MVP開発は「Minimum Viable Product」の略称であり、スポーツ業界でよく使われるMVP「Most Valuable Player」とは何ら関係ありません。
そんなMVP開発について、会社設立してから約24年経ち、これまで数多くの開発実績を持っている弊社が他の開発手法との違いを含めて本記事では紹介したいと思います。
本記事を読んでいただき、MVP開発の理解に少しでもお役に立てたら幸甚です。
1.MVP開発とは?
1章ではMVP開発について、分かりやすく解説いたします。
1-1. MVP開発は、必要最低限の機能をもった開発をすること
MVP開発は、想定されるユーザーに対して必要最低限・最小限の機能をもった開発をすることです。想定されるユーザーに一部機能が実装できた段階で触ってもらい、ユーザーからフィードバックをもらいながら必要な機能の肉付けをしていきます。ユーザーにとってその機能が価値あるものか事前に調査します。これを繰り返して完成形に近づけていきます。
1-2.MVP開発の目的は、市場調査である
MVP開発の多くの目的は、早期の市場調査とユーザーからのフィードバックのデータ集めにあります。これらを調査することで今後、大型プロジェクトを開発する際の参考データとなります。大型プロジェクトを開発する前の検証開発という位置づけで考えても良いかもしれません。
リスク軽減とマーケットニーズ(仮説)の検証をしながら開発を進めることができるので、スタートアップ企業等に良く取り入れられる手法になります。ここでユーザーからの反応が悪ければそのプロジェクトを頓挫すれば良いので、費用を抑えてマーケットニーズを検証することができます。
今では大きなメディアに成長したX(Twitter)、Dropboxの開発手法もMVP開発と言われています。市場調査しながらシステム開発を成功に導くという意味では理にかなった手法だと思います。
1-3.他の開発手法との違い
開発手法 | 違い |
MVP開発 | 目的が市場調査にある |
DevOps開発 | システム開発をする上での体制構築、進め方 |
アジャイル開発・ ウォーターフォール開発等 | システム開発をする上での開発する手段 |
簡潔にまとめると、MVP開発は品質よりも機能の実装とそのスピード感が肝になります。短期間でマーケットニーズを検証して、じっくり考察することがカギになります。その考察結果を受けて大型プロジェクトに活かしたり、ダメならMVP開発で別機能を開発して改めて検証をする。という形になります。
なので、他の開発手法とはそもそも目的が異なるので、MVP開発で立派なシステムを開発するという目的で開発するケースは少ないです。
2.MVP開発のメリットとデメリット
MVP開発の概要について1章では解説してきました。2章ではMVP開発のメリット、デメリットを紹介します。
2-1.MVP開発のメリット
まずは、メリットを4点紹介します。
2-1-1.無駄なコストを削減できる
ユーザーのニーズを確認しながら開発を進めていくので、ユーザーにとって不要な機能をわざわざ開発する必要性がなくなります。そのため、そのような無駄な時間を省くことができます。
2-1-2.よりニーズにマッチした製品ができる
2-1-1と似ていますが、ユーザーの意見を取り入れながら開発をしていくので、ユーザーのニーズにマッチした機能をどんどん実装していくことができます。
2-1-3.方針転換がしやすい
実装した機能がユーザーから不評だった時に、小さい単位で実装していくので別の追加機能を実装したり、一歩前に戻って開発することが他の開発手法と比較して容易にできます。
2-1-4.失敗のリスクを抑えることができる
ユーザーのニーズを確認しながら進めていくので、製品の失敗に繋がりにくい特徴があります。バグ等もその時点で気づくことができるので、失敗するリスクを抑えながら開発を進めることができます。
2-2.MVP開発のデメリット
続いて、デメリットを2点紹介します。
2-2-1.大規模な開発には見合わない
大規模な開発をする前の市場調査のためのMVP開発になります。MVP開発の結果を受けて、大規模な開発はアジャイル開発やウォーターフォール開発を取り入れるというケースが多いです。
2-2-2.スキルの高いエンジニアが必要
ユーザーのニーズに応えながら臨機応変に対応しないといけないため、そのニーズに対応できるスキルが無いと開発が進まないです。どのようなオーダーでも対応できるスキル高いエンジニアが必要になってきます。近年、エンジニアのリソース不足が騒がれているだけに、人集めに苦労するかもしれません。
3.MVP開発の適正があるシステム開発
それでは、実際にどのような時にMVP開発を採用したら良いか紹介したいと思います。
3-1.早期にマーケットニーズを検証するための開発
MVP開発の目的がマーケットニーズを検証することにあります。早期に開発してマーケットニーズを検証して、ビッグプロジェクトの開発に生かす。そのような時にMVP開発を採用すると良いでしょう。ここでユーザーの反応を見て悪ければ改善もしくは終了、良ければビッグプロジェクトの開発に採用するという流れになります。
3-2.1ヶ月以内で終わるような小規模開発
「実装」→「ユーザーテスト」→「改修」→「実装」…をスピーディーにやる必要があるMVP開発なので、小規模開発が向いています。というより、大規模開発だとこのサイクルをスピーディーに対応することができないので、1ヶ月以内に終わるような小規模開発であればMVP開発を採用すると良いでしょう。ユーザーのニーズを確認することで、無駄な開発を防ぐことができます。
4.MVP開発の進め方
4章では具体的にMVP開発の進め方を解説いたします。
4-1.ユーザーのニーズを仮定する
ユーザーがどんなニーズを求めているのか開発前にプランニングする必要はあります。誰に向けに作るのか、その層の人たちはどんなニーズを求めているのか、直接話をする機会を作れると知らなかったことも知ることができるでしょう。
4-2.ニーズを満たすための最低限機能を決める
ニーズを仮定することができたら、そのニーズに応えるためにどんな機能が必要か検討します。ここで重要なのが、“最低限機能”になります。最低限にしないとMVP開発のメリットが生かせないためです。ササっと開発して、ササっと実装することが重要です。
4-3.MVP開発して、ユーザーテストする
機能を決めたら実際に開発しましょう。開発が終了したらユーザーにテストしてもらいます。ユーザーの行動や反応を追って、改善点等を洗い出しましょう。
では、そのユーザーをどうやって獲得するのか、、それは、4-1の段階でユーザーに対してのアプローチ、マーケットニーズの確認をしているはずですので、その時に繋がったユーザーにテストしてもらうのが一番です。また、SNSでユーザーを募集するケースもあります。
4-4.フィードバックをまとめて、改善する
ユーザーからのフィードバック等を取りまとめて、改善するための開発を進めます。ここでもスピードが求められます。ササっと開発して、ササっと実装する。そしてテストしてもらってまた改善する。これを何度か繰り返して、ユーザーが必要としているモノの核を突っ付きにいきます。
4-5.プロダクトをリリースする
改善がすべて終わったらリリースしましょう。また、大型プロジェクトの下準備であれば、大型プロジェクトの開発を進めることになります。大型プロジェクトはアジャイル開発やウォーターフォール開発のような一般的な開発手法で開発を進めることになります。ユーザーの反応が悪かった場合はリリースせずにお蔵入りすることもあります。
5.まとめ
MVP開発の概要から、実際のMVP開発の進め方に紹介してきました。MVP開発はユーザーのニーズに応えるためにスキルが高い人材が必要になってきます。国内はスキルの高いエンジニアは引く手あまたで、なかなか確保しづらい現状があります。そんなときは外注を検討してみてはどうでしょうか?特にオフショアであればスキルの高いエンジニアを容易に見つけることができます。
弊社ではそんなオフショア開発に力を入れています。MVP開発×オフショア開発について、詳しく知りたい方はどんな些細なことでもお問い合わせください。いつでもご連絡お待ちしております。