オフショア開発の委託で成功するための秘訣:会社選びを含めて解説

オフショア開発の委託とは

オフショア開発は、コスト削減や人材不足解消に有効な手段ですが、委託先の選定やコミュニケーション、品質管理など、注意すべき点が数多く存在します。本記事では、オフショア開発の委託を成功させるために、知っておくべき知識や具体的な対策について解説します。

弊社はベトナムにオフショア開発拠点を構えてから約10年経つ会社です。実際にオフショア開発を運営しているからこそ分かることを本記事では交えて解説していきます。

オフショアのお問い合わせはこちら

1. オフショア開発委託とは?そのメリットとデメリット

1章ではそもそもオフショア開発とは何ぞやというところから、メリット・デメリットについて解説していきます。

1-1. オフショア開発の定義と現状

オフショア開発とは、ソフトウェア開発やシステム開発などの業務を、海外の企業や開発チームに委託することを指します。この手法は、グローバル化が進む現代において、多くの企業にとって重要な戦略的選択肢となっています。 オフショア開発は、単なるコスト削減の手段としてだけでなく、高度な専門知識やスキルを持つ海外の人材を活用し、競争力を高めるための手段としても注目されています。
現状として、オフショア開発は、様々な規模の企業で広く採用されており、その範囲もソフトウェア開発にとどまらず、バックオフィス業務やカスタマーサポートなど、多岐にわたっています。特に、アジア地域はオフショア開発の拠点として発展しており、多くの企業がこれらの地域に開発チームを置いています。ただし、オフショア開発を成功させるためには、言語や文化の違い、コミュニケーションの障壁など、様々な課題を克服する必要があります。

 

オフショア開発の詳細な概要は、 オフショア開発とは?概要やメリット、成功させるポイントを紹介 の記事をご参照ください。

1-2. オフショア開発のメリット:コスト削減とリソースの確保

オフショア開発の最大のメリットは、やはりコスト削減です。特に、人件費が比較的低い国々に開発を委託することで、開発コストを大幅に削減できます。これは、企業が限られた予算内でより多くのプロジェクトを実行したり、利益率を向上させたりする上で大きな利点となります。
さらに、オフショア開発は、国内で不足しているIT人材を海外から確保できるというメリットも提供します。特定のスキルセットを持つ人材が国内で見つからない場合でも、海外に目を向けることで、必要なリソースを確保できる可能性が高まります。これにより、企業はプロジェクトの遅延を防ぎ、市場のニーズに迅速に対応することができます。また、海外の優秀な人材を活用することで、技術力の向上やイノベーションの促進にもつながります。

 

オフショア開発のメリットについてさらに詳しく知りたい方は、 オフショア開発のメリットとは?2つのメリットが存在 の記事をご参照ください。

1-3. オフショア開発のデメリット:コミュニケーションと品質管理

オフショア開発には多くのメリットがある一方で、いくつかの重要なデメリットも存在します。
最も顕著なデメリットの一つは、言語や文化の違いによるコミュニケーションの難しさです。異なる言語を話すチーム間では、誤解が生じやすく、意思疎通に時間がかかることがあります。また、文化的な違いは、仕事の進め方や価値観の違いにつながり、チーム間の摩擦を引き起こす可能性もあります。
さらに、品質管理もオフショア開発における大きな課題です。地理的に離れた場所にいるチームの作業を監視し、品質基準を維持することは容易ではありません。品質の低下を防ぐためには、明確な品質管理体制を構築し、定期的なレビューやテストを実施する必要があります。これらの課題を克服するためには、適切な委託先の選定、効果的なコミュニケーション方法の採用、そして厳格な品質管理体制の構築が不可欠です。

 

オフショア開発のデメリットについてさらに詳しく知りたい方は、 オフショア開発のデメリットとは?10個について解説 の記事をご参照ください。

2.オフショア開発委託で失敗しないための重要ポイント

2章ではオフショア開発を委託するのにあたり、失敗しないためのポイントを紹介します。

2-1. 明確な要件定義と仕様書の作成

オフショア開発を成功に導くためには、プロジェクト開始前に明確な要件定義と詳細な仕様書を作成することが極めて重要です。このプロセスを丁寧に行うことで、開発チームと委託者間の認識のずれを最小限に抑え、開発プロセスの手戻りを大幅に削減できます。
要件定義では、プロジェクトの目的、必要な機能、期待される性能、および品質基準などを明確に記述する必要があります。
仕様書は、これらの要件をさらに詳細に落とし込み、開発チームが具体的な実装を行うための指針となるものです。仕様書には、画面デザイン、データ構造、APIの仕様など、開発に必要なすべての情報を含めるべきです。
明確な要件定義と仕様書は、オフショア開発におけるコミュニケーションの基盤となり、プロジェクトの成功に不可欠な要素です。

 

要件定義について詳しく知りたい方は、 要件定義とは?基本設計/詳細設計との違いと進め方を解説 の記事をご参照ください。

2-2. 適切なコミュニケーション手段の確立

コミュニケーションをとっているイラスト
言語や文化の違いを考慮した、効果的なコミュニケーション手段の確立は、オフショア開発の成功に不可欠です。定期的なオンライン会議を実施し、進捗状況の確認や問題点の共有を行うことが重要です。これらの会議では、ビデオ会議システムを活用し、顔を見ながらコミュニケーションを取ることで、より円滑な意思疎通が可能になります。 また、チャットツールやプロジェクト管理ツールなどを活用し、リアルタイムでの情報共有やタスク管理を行うことも効果的です。これらのツールを活用することで、チームメンバー間の連携を強化し、プロジェクトの透明性を高めることができます。
さらに日本人ブリッジSEや通訳の存在は必要不可欠でしょう。ここが不在だったり、現地のブリッジSEだとコミュニケーションが上手く取れないことがほとんどです。これで失敗するケースが多いです。

 

ブリッジSEについて詳しく知りたい方は、 ブリッジSEとは?オフショア開発で欠かせない理由と役割を解説 の記事をご参照ください。

2-3. 品質管理体制の構築と継続的な改善

オフショア開発における品質管理は、プロジェクトの成功を左右する重要な要素です。品質管理体制を構築し、継続的に改善していくことが不可欠です。
まず、テスト計画を策定し、テストの実施方法、テストデータ、および合格基準などを明確に定義する必要があります。テストは、単体テスト、結合テスト、システムテストなど、複数の段階に分けて実施し、各段階で品質を確認することが重要です。 レビューは、コードレビュー、ドキュメントレビュー、およびデザインレビューなど、様々な形式で実施し、早期に問題点を発見し、修正することが重要です。
進捗状況の確認は、定期的な進捗会議やレポートを通じて行い、遅延や問題が発生した場合には、迅速に対応する必要があります。品質管理体制の構築と継続的な改善を通じて、高品質な成果物を実現することができます。

 

品質管理について詳しく知りたい方は、 オフショア開発の大きな課題の1つは品質にあり の記事をご参照ください。
オフショアのお問い合わせはこちら

3. オフショア開発委託先の選び方:信頼できるパートナーを見つける

続いて3章では委託先の選び方のポイントを解説していきます。

3-1. 実績と経験の確認

オフショア開発委託先を選定する上で、最も重要なステップの一つは、その企業の実績と経験を詳細に確認することです。委託先が過去にどのようなプロジェクトを手がけてきたのか、具体的な事例を調査し、自社のプロジェクトとの関連性や類似性を評価する必要があります。特に、自社の業界や技術領域における実績は、委託先の能力を判断する上で重要な指標となります。
また、委託先の技術力や対応力も確認する必要があります。技術力については、使用している技術スタックや開発プロセスなどを確認し、自社のニーズに合致しているかを確認します。対応力については、プロジェクトの規模や複雑さに対応できるだけの組織体制やリソースを持っているかを確認します。これらの情報を総合的に判断し、信頼できるパートナーを選定することが、オフショア開発の成功に不可欠です。

3-2. コミュニケーション能力と対応言語

円滑なコミュニケーションは、オフショア開発の成功に不可欠な要素です。委託先の担当者が日本語を理解できるか、または英語でのコミュニケーションが円滑に行えるかを確認することが重要です。言語の壁は、誤解やコミュニケーションの遅延を引き起こし、プロジェクトの進行に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、コミュニケーション能力は、単に言語能力だけでなく、相手の意図を正確に理解し、自分の考えを明確に伝える能力も含まれます。委託先の担当者との面談や打ち合わせを通じて、コミュニケーション能力を評価することが重要です。

さらに前述の通り、日本人ブリッジSEや通訳の存在は必要不可欠でしょう。ここが不在だったり、現地のブリッジSEだとコミュニケーションが上手く取れないことがほとんどです。これで失敗するケースが多いです。

オフショア開発でのコミュニケーションの取り方については、 オフショア開発における上手なコミュニケーション取り方を紹介 の記事をご参照ください。

3-3. セキュリティ対策と情報管理体制

セキュリティ対策
オフショア開発では、機密情報や個人情報などの重要な情報を委託先と共有する必要があるため、セキュリティ対策と情報管理体制の確認は非常に重要です。委託先の企業が、情報セキュリティに関する国際規格(ISO27001など)の認証を取得しているかを確認することは、信頼性を測る上で有効な指標となります。
また、委託先のオフィス環境やネットワーク環境が、物理的および論理的なセキュリティ対策が十分に施されているかを確認する必要があります。例えば、入退室管理システムや監視カメラの設置状況、ファイアウォールや侵入検知システムの導入状況などを確認します。さらに、委託先との間で、秘密保持契約(NDA)を締結し、情報漏洩のリスクを最小限に抑えるようにしましょう。定期的な監査を実施することも有効です。

 

オフショア開発でのセキュリティについては、 オフショア開発のセキュリティを解説。海外に情報漏洩するの? の記事をご参照ください。

4. オフショア開発の最新トレンドと今後の展望

4章ではオフショア開発の今後の展望を解説していきます。

4-1. アジャイル開発の導入

アジャイル開発の体制図
近年、オフショア開発においてもアジャイル開発の導入が急速に進んでいます。アジャイル開発は、従来のウォーターフォール型開発と比較して、柔軟な対応や迅速な開発が可能であり、変化の激しい現代のビジネス環境に適しています。アジャイル開発では、プロジェクトを小さなイテレーションに分割し、各イテレーションごとに計画、開発、テスト、レビューを繰り返します。 これにより、顧客のフィードバックを迅速に反映し、要件の変更に柔軟に対応することができます。また、アジャイル開発では、チームメンバー間のコミュニケーションを重視し、密な連携を図ることで、問題の早期発見や解決を促進します。オフショア開発においてアジャイル開発を導入する際には、コミュニケーション手段の確立や文化的な違いへの配慮が特に重要となります。

 

オフショア開発でのアジャイル開発については、 なぜオフショア開発ではアジャイル開発が採用されるのか? の記事をご参照ください。

4-2. ローコード・ノーコード開発の活用

ローコード・ノーコード開発は、プログラミングの専門知識がなくても、GUIベースの開発環境でアプリケーションを開発できる手法です。この手法は、開発期間の短縮やコスト削減に大きく貢献し、ビジネスの迅速な変化に対応することを可能にします。 オフショア開発においても、ローコード・ノーコード開発の活用が進むと予想されます。特に、単純な業務アプリケーションやプロトタイプの開発においては、ローコード・ノーコード開発を活用することで、開発期間を大幅に短縮し、コストを削減することができます。ただし、ローコード・ノーコード開発は、複雑なアプリケーションや高度なカスタマイズが必要な場合には、適用が難しい場合があります。そのため、プロジェクトの要件に応じて、適切な開発手法を選択する必要があります。

 

ローコード開発の詳細は、 ローコード開発とは?ツール10選も合わせてご紹介! の記事をご参照ください。
ノーコード開発の詳細は、 ノーコード開発とは?ツール10選も合わせてご紹介! の記事をご参照ください。

4-3. 多様な委託先の登場

これまで、オフショア開発の委託先は中国やインド、ベトナムなどが中心でしたが、近年では、フィリピンやミャンマー、バングラデシュなど、多様な国が登場しています。これらの国々は、それぞれ異なる特徴を持っており、得意とする技術や産業分野も異なります。 例えば、フィリピンは、英語能力が高く、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)分野で強みを持っています。ミャンマーやバングラデシュは、比較的低い人件費で、労働集約的な業務に適しています。それぞれの国の特徴を理解し、自社のプロジェクトに最適な委託先を選定することが重要です。また、政治的な安定性や法制度、文化的な背景なども考慮する必要があります。
オフショアのお問い合わせはこちら

「オフショア開発 委託」まとめ

オフショア開発は、コスト削減や人材不足の解消に有効な手段であり、グローバル市場で競争力を高めるための重要な戦略的選択肢となります。しかし、委託先の選定、コミュニケーション、品質管理など、注意すべき点が数多く存在します。これらの課題を克服し、オフショア開発を成功させるためには、明確な目標設定、詳細な計画策定、そして信頼できるパートナーとの連携が不可欠です。
本記事で紹介したポイントを踏まえ、オフショア開発を積極的に活用し、ビジネスの成長を加速させましょう。
オフショア開発は、単なるコスト削減の手段ではなく、グローバルな視点を取り入れ、新たなビジネスチャンスを創出するための機会でもあります。積極的にチャレンジすることで、企業は新たな成長の道を切り開くことができるでしょう。
弊社は会社を立ち上げたから24年が経ちます。さらにベトナムにオフショア開発拠点を立ち上げてから約10年が経ちます。オフショア開発、ニアショア開発、常駐型と様々な形で体制構築できることが強みです。
システム開発で行き詰った時には、どんな些細なことでも、お気軽にお問い合わせいただければと存じます。相談は無料!です。

お客様の課題をワンストップで解決!
お客様の声をカタチに変えて満足頂ける
ソリューションを提供いたします。

お客様が抱える課題を、システム開発で解決しています。ご要件のヒアリングからシステム設計、開発、保守をワンストップで提供します。

ベトナムのエンジニアマーケットから人員調達ができるため、お客様が必要とする人員数を当社のみで提供できる強みがあります。

ICDベトナムがエンジニア不足を解決します!
ICDベトナムがエンジニア不足を解決します!
Loading