
オフショア開発はコスト削減や人材確保に有効な手段ですが、様々なリスクを伴うことは否定できません。しかし、そのリスク回避を努力すればオフショア開発はかなり魅力的な開発手段となります。アメリカではオフショア開発を活用してシステム等を開発することは当たり前です。
本記事では、オフショア開発におけるリスクを詳細に解説し、それらを回避するための具体的な対策を紹介します。オフショア開発を成功させるためヒントの1つとして参考にしていただければと思います。
弊社はベトナムにオフショア開発拠点を構えてから約10年経つ会社です。実際にオフショア開発を運営しているからこそ分かることを本記事では交えて解説していきます。もちろん弊社へのお問い合わせもお待ちしております。相談は無料!です。
1. オフショア開発における主なリスク
早速ですが、1章ではオフショア開発を実施するのにあたりどのようなリスクが潜んでいるか紹介していきます。
1-1. コミュニケーションの障壁
オフショア開発において、コミュニケーションの障壁は、プロジェクトの成否を大きく左右する重要なリスク要素です。言語の壁はもちろんのこと、文化的な背景、ビジネス習慣、時間帯の違いなど、多岐にわたる要因が複雑に絡み合い、円滑な意思疎通を阻害します。
特に、開発チームとの認識のずれは、手戻りの発生、品質の低下、納期遅延といった深刻な問題を引き起こす可能性があります。そのため、オフショア開発を成功させるためには、コミュニケーションの障壁を最小限に抑えるための対策が不可欠です。ブリッジSEの配置や、チャットツール、ビデオ会議システムなどのコミュニケーションツールの導入、定期的な進捗報告会の実施など、様々な対策を講じる必要があります。
1-2. 品質管理の難しさ
オフショア開発における品質管理の難しさは、 単に技術的な問題に留まらず、 コミュニケーション不足や文化的な違いにも起因する、 複合的なリスクです。開発チームのスキルレベルが想定よりも低い場合や、仕様書の解釈にずれが生じた場合、期待される品質基準を満たす成果物を得ることが難しくなります。 品質を確保するためには、詳細な仕様書の作成だけでなく、定期的なコードレビュー、テストの実施、品質保証チームによるチェック体制の構築が不可欠です。
また、開発チームに対して、品質に関する教育やトレーニングを実施し、品質意識の向上を図ることも重要です。 さらに、成果物の品質を客観的に評価するために、第三者機関による品質監査を導入することも有効な手段です。 これらの対策を組み合わせることで、オフショア開発における品質リスクを軽減し、高品質な成果物を手に入れることができるでしょう。
弊社では、週1回の定例会をお願いしております。お互いに進捗確認することで目線合わせをすることができます。また、窓口は必ず日本人が立ちますので、安心してお任せいただくことができます。
1-3. セキュリティリスク
オフショア開発では、情報漏洩、不正アクセス、マルウェア感染など、様々なセキュリティリスクが潜在しています。開発チームのセキュリティ意識の低さや、セキュリティ対策の不備が、これらのリスクを増大させる可能性があります。 特に、個人情報や機密情報を取り扱うプロジェクトでは、セキュリティ対策の強化が不可欠です。 契約段階で、セキュリティに関する条項を明確に定め、開発チームに対して、セキュリティに関する研修を実施する必要があります。 また、アクセス制御、暗号化、脆弱性診断などの技術的な対策も講じる必要があります。 さらに、セキュリティインシデントが発生した場合の対応策を事前に策定し、定期的なセキュリティ監査を実施することで、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。 これらの対策を徹底することで、オフショア開発におけるセキュリティリスクを軽減し、安心してプロジェクトを進めることができるでしょう。
1-4. コスト超過のリスク
オフショア開発におけるコスト超過は、プロジェクトの予算を圧迫し、投資効果を損なう大きなリスクです。初期の見積もりが甘かったり、要件定義が曖昧だったり、開発途中で仕様変更が発生したりするなど、様々な要因がコスト超過を引き起こす可能性があります。 また、為替レートの変動や、政治情勢の変化なども、コストに影響を与えることがあります。 コスト超過を防ぐためには、初期段階で詳細な見積もりを作成し、契約内容を明確に定めることが重要です。 また、リスク管理計画を策定し、予期せぬ事態に備えてバッファを持たせた予算計画を立てる必要があります。 さらに、プロジェクトの進捗状況を定期的に確認し、コストの状況を把握することも重要です。 これらの対策を講じることで、オフショア開発におけるコスト超過のリスクを軽減し、予算内でプロジェクトを完了させることができるでしょう。
2. オフショア開発のリスクを回避するための対策
1章で取り上げたリスクについて、回避するための対策を2章では紹介していきます。
2-1. 明確な要件定義と仕様書の作成
オフショア開発を成功させる上で、明確な要件定義と詳細な仕様書の作成は、最も重要な対策の一つです。曖昧な要件や不明確な仕様は、開発チームとの認識のずれを生み、手戻りの発生や品質の低下につながります。 要件定義では、開発するシステムの目的、機能、性能、制約などを明確に定義する必要があります。 仕様書では、要件定義に基づいて、システムの具体的な動作、画面レイアウト、データ構造などを詳細に記述する必要があります。 仕様書は、開発チームがシステムを正しく理解し、開発を進めるための重要な資料となります。 また、仕様書は、開発チームとのコミュニケーションツールとしても機能します。 図や表を用いて、視覚的に分かりやすい資料を作成し、開発チームとの間で認識のずれがないように、しっかりとレビューを行いましょう。
2-2. ブリッジSEの配置
オフショア開発におけるコミュニケーションの課題を解決するために、ブリッジSEの配置は非常に有効な手段です。ブリッジSEは、日本語と現地の言語に堪能であることはもちろん、開発チームの技術的な知識や文化的な背景を理解している必要があります。 ブリッジSEは、開発チームと顧客の間に入り、円滑なコミュニケーションを促進する役割を担います。 要件の伝達、進捗報告、問題解決など、様々な場面で活躍し、プロジェクトの成功に貢献します。 ブリッジSEを選定する際には、言語能力だけでなく、技術的な知識やコミュニケーション能力も重視する必要があります。 また、ブリッジSEが、開発チームと顧客の間で、十分な信頼関係を築けるように、サポートすることも重要です。 ブリッジSEの適切な配置とサポートにより、オフショア開発におけるコミュニケーションの課題を克服し、プロジェクトを成功に導きましょう。
冒頭の通り、弊社ではブリッジSEは必ず日本人を立てるようにしています。それは、ブリッジSEがそのプロジェクトの運命を決めると考えているからです。そんな運命を決めるブリッジSEが現地の人だと例え日本語が話せたとしても少し不安に思うところもあるのではないでしょうか。
2-3. 定期的な進捗報告とレビュー
オフショア開発において、プロジェクトの進捗状況を定期的に確認し、成果物のレビューを行うことは、リスクを早期に発見し、問題を解決するために不可欠です。 進捗報告では、開発チームが、現在の進捗状況、課題、今後の計画などを報告します。 レビューでは、顧客が、開発チームが作成した成果物を評価し、フィードバックを提供します。 進捗報告とレビューを定期的に行うことで、開発チームと顧客の間で、認識のずれがないように、常に情報を共有することができます。 また、進捗報告とレビューを通じて、問題点を早期に発見し、解決策を検討することができます。 進捗報告とレビューの頻度は、プロジェクトの規模や複雑さによって異なりますが、少なくとも週に一度は行うことをお勧めします。 定期的な進捗報告とレビューを通じて、オフショア開発におけるリスクを軽減し、プロジェクトを成功に導きましょう。
3. オフショア開発パートナーの選定
3章ではオフショア開発を外部に委託する際に押さえておきたいポイントを解説します。
3-1. 実績と評判の確認
オフショア開発を成功させるためには、信頼できるパートナーを選定することが非常に重要です。パートナーの選定を誤ると、品質の低下、納期遅延、コスト超過など、様々な問題が発生する可能性があります。 パートナーを選定する際には、過去のプロジェクトの実績や顧客からの評判をしっかりと確認しましょう。 実績を確認する際には、類似のプロジェクトの経験があるかどうか、どのような技術力を持っているかなどを確認することが重要です。 評判を確認する際には、顧客からの評価だけでなく、従業員の満足度や離職率なども参考にすると良いでしょう。 また、複数のパートナー候補を比較検討し、自社のニーズに最も適したパートナーを選定することが重要です。 実績と評判をしっかりと確認し、信頼できるパートナーを選定すると良いでしょう。
3-2. セキュリティ対策の確認
オフショア開発パートナーを選定する上で、セキュリティ対策の確認は非常に重要なポイントです。情報漏洩や不正アクセスなどのセキュリティリスクは、オフショア開発において特に注意が必要です。 パートナーが、情報セキュリティに関する国際規格(ISO27001など)を取得しているかどうかを確認しましょう。 また、具体的なセキュリティ対策の内容についても、詳細に確認する必要があります。 例えば、アクセス制御、暗号化、脆弱性診断、侵入検知などの対策が、どのように実施されているかを確認しましょう。 さらに、セキュリティインシデントが発生した場合の対応策についても、事前に確認しておくことが重要です。 セキュリティ対策をしっかりと確認し、安心してオフショア開発を任せられるか確認しましょう。
3-3. コミュニケーション体制の確認
オフショア開発を成功させるためには、円滑なコミュニケーションが不可欠です。パートナーを選定する際には、コミュニケーション体制が整っているかどうかをしっかりと確認しましょう。 ブリッジSEの有無や、コミュニケーションツールの利用状況などを確認しましょう。 ブリッジSEは、日本語と現地の言語に堪能であり、技術的な知識も持ち合わせている必要があります。 コミュニケーションツールとしては、チャットツール、ビデオ会議システム、プロジェクト管理ツールなどがあります。 これらのツールが、効果的に活用されているかどうかを確認しましょう。 また、コミュニケーションの頻度や方法、報告体制なども確認し、自社のニーズに合ったコミュニケーション体制を構築できるパートナーを選定しましょう。 コミュニケーション体制をしっかりと確認し、円滑なコミュニケーションを実現できるか確認しましょう。
4.弊社・ICDの紹介

弊社は、ベトナムにラボを構えてから約10年経つ歴史を持っています。その10年の経験から試行錯誤して、オフショア開発の弱点を払拭してきました。弊社ではどんなことができるのか、4章では解説していきます。
4-1. 必ず日本人ブリッジSEが立つ
ICDには6人の日本人ブリッジSEが在籍しています。
個々の能力差は出てしまいがちですが、その差をなくすためにICDでは教育体制をしっかりと築いています。
そのため、6人のうち誰が担当になっても安定したサービスを提供できるようになっています。
また、日本人が必ず窓口として立ちますので、ベトナム人のコントロールも日本人ブリッジSEに任せてください。
<ブリッジSEの紹介>
こんな人がICDのブリッジSEとして活躍しています。
名前 | W.M |
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入社日 | 2014年 |
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プロフィール | ベトナムにてPMに従事すること10年。 自社開発事業、また、受託開発事業と2つの開発現場の運営に関わっている。 開発現場で肝要なのは「定義」「伝え方」といった管理者責任であると考えている。 そのため、オフショア開発において「言語の壁」は「表面的には存在する」と認識している一方で、開発の成否を決めるのは「管理の仕方」である点では、「日本も諸外国も変わらない」をモットーに、プロジェクトマネジメントに携わっている。 |
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4-2. 1ヶ月以内に体制構築できる
ICDは独自の採用ノウハウを持っています。
例えば新しいプロジェクトのスタートにあたってエンジニアを揃えないといけないとなった時にICD独自の採用スキームを取り入れることによって約1ヶ月求人募集をすると、平均で50~60人程度の応募が来ます。その中からスキル感やキャラクター性から当該プロジェクトにマッチするか面接や技術テストを通して評価し、お客様へご提案いたします。
さすがに全員が新規採用だと心配…、もちろんそこもカバーします。もともとICDに所属しているブリッジSEクラスの能力を持っているSEを必ずリーダーとして立てるようにしています。
4-3. 技術年数が長いベテラン層が多い
ほとんどの会社は技術年数3年以内が6割近く占めているところ、ICDの場合は技術年数5年以上のスタッフが8割を占めています。
このことからもスキルに関しては、ご安心いただければと思います。
※以下のグラフは、社員各々のスキルシートを集計してグラフ化したデータになります。

4-4. 日本人好みのデザインで制作する
国によって好みの色合いが異なります。それはベトナムでも言えることであり、日本人からしたら「何でこの色合いにしたの?」と思うケースも良くあることです。ICDではそこをカバーするためにデザインの監修として日本人が必ずチェックするようにしています。
WEBページの配置等でも国によって好みが異なります。それはベトナムでも言えることであり、日本人からしたら「何でここにナビゲーションがないの?」と思うケースも良くあることです。色合いと同じく、その部分も日本人が必ず監修するようにしています。
例えば…楽天等の良くあるECサイトを思い浮かべてください。
商品カテゴリーの表示は、サイドナビゲーションにあるのが一般的に思われますが、ベトナムのECサイトだとありません。(昔はありましたが、最近は無くすのが流行りみたい)日本人の感覚からしてサイドナビゲーションが無いと違和感があるかもしれません。
<イメージ>

4-5. 開発環境が整っている
納品までのフローを明確化することにより、お客様にも信頼をいただいています。プロジェクトにもよりますが、以下のようなフローをベースとして組んでいます。

ICDでは以下のような開発サイクルを採用しています。これらを明確化することにより、お客様にも信頼いただいています。また、チケットドリブンを取り入れていますので、開発の工程を細かなタスク(チケット)で進めるため、担当者ごとに細かくタスク管理をすることができます。また、誰がどのコードを編集したのか可視化することで、ブラックボックス化を防ぐことができます。また、些細なミスの早期発見にも繋がり、大きなトラブルを防ぐことができます。

4-6. 会社の実績を紹介
位置情報と、写真データを組み合わせたライフログアプリ。地図上に写真を配置してライフログを残せるほか、ダウンロード用コンテンツも提供しており、すると生活に役立つ様々な地図を取得できます。
初期開発から担当しており、大規模なプロジェクトもコストを抑えつつ、オフショア開発での実現も可能となっております。

開発規模 | 20人月 |
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開発言語・技術 | Swift, Java |
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開発費用 | 2,000万円 |
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- 不動産デベロッパーが提供する施設検索ポータルサイト
メインの賃貸物件サイトと連携するサービスサイト。目的に応じた施設情報や季節に応じた観光名所案内など、賃貸物件検索以外のニーズに対応したお役立ち情報サイトです。地域密着型のサービスの提供を目的とし、若者から高齢者まで広い階層に楽しく利用してもらうことを念頭に制作しました。

開発規模 | 12人月 |
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開発言語・技術 | HTML, CSS, JavaScript, PHP |
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開発費用 | 700万円 |
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弊社の社内システムです。設計からリリースまでの開発作業をすべて自社内で完結させています。プロジェクトの工数管理や従業員情報管理などをまとめて1箇所で確認できるシステムです。

開発規模 | 6人月 |
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開発言語・技術 | GoogleAppEngine, mySQL, next.js |
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開発費用 | 350万円 |
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そんな実績多数のICDに、ベトナムオフショアならお任せください!
東建コーポレーション様やカインズ様といった大手企業様との取引が多数あり、10年以上ベトナムでオフショア開発を提供してきたノウハウを用いて、お客様にオフショア開発の魅力を提供いたします。興味があるけど、海外というハードルの高さから一歩踏み出せない方、今一歩踏み出すチャンスです。
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「オフショア開発 リスク」まとめ
オフショア開発は、適切にリスクを管理し、対策を講じることで、コスト削減、開発期間の短縮、高品質な開発など、大きなメリットをもたらします。しかし、コミュニケーションの障壁、品質管理の難しさ、セキュリティリスク、コスト超過のリスクなど、様々なリスクも存在します。
これらのリスクを回避するためには、明確な要件定義と仕様書の作成、ブリッジSEの配置、定期的な進捗報告とレビュー、信頼できるパートナーの選定などが重要です。
また、オフショア開発を行う際には、自社のニーズや状況に合わせて、最適な開発モデルを選択する必要があります。
本記事で紹介した内容を参考に、オフショア開発を成功させ、ビジネスの成長に繋げていきましょう。オフショア開発は、グローバルな競争力を高めるための有効な手段となり得ます。
冒頭の通り、弊社はオフショア開発を初めて10年経つ会社です。経験からリスクに対する様々な対策をしてきました。弊社が一緒になって貴社のビジネス成長を支えていければと思います。相談は無料です!少しでも気になったらお問い合わせください。