世界的に認められている技術力、インドのオフショアとは?

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プログラマー、システムエンジニアを経て2001年にサイバーエイド株式会社を設立。
2008年に株式会社インタラクティブ・コミュニケーション・デザインにジョイン後は、2014年にベトナム・ホーチミンでオフショア開発拠点を立ち上げ、2017年に現地法人ICD Vietnam Limited Liability Companyを創業し現在に至る。
創業以降は東京のみならず、各国内地方拠点(札幌、名古屋、大阪)においても積極的にオフショア開発を推進し、国内のITエンジニア不足の解消を目指す。
インドでオフショア

あなたは今、オフショアを検討しているが、様々な国の選択肢がある中で、なぜ「インド」がオフショア開発で長らく活用されてきた国の1つとして選ばれているか気になっているところではないでしょうか?

オフショア開発会社として数十社の取引実績と、オフショア開発会社及びオフショア開発を導入したことがある会社など約200社以上との打ち合わせなど当社の蓄積データを最大限に活かしながら、インドのオフショア開発の魅力を紹介します。

そして、インドのオフショア開発のメリット・デメリットを理解していただき、オフショア開発拠点(国)を選定する上で1つの参考になればと思います。

1. オフショアでインドを選択するメリット

この章ではインドを選択するメリットを紹介いたします。

1-1. 世界的に認められているインドの技術力がある

1ITエンジニアの数は世界2位!

まず、インドはITエンジニアの数が中国よりも多く世界的に見てもアメリカの次に多い世界2位の国です。母数が多いため、技術力に優れた人たちも多そうですね…。

国別ITエンジニア数上位20カ国のグラフ

(参照:ヒューマンソリシア株式会社)

2)世界に認められている根拠

ただただ人口が多いだけで技術力はどうなの?と疑問に感じる人もいるかと思いますが人口が多いだけでなく、しっかりと名だたる企業でインド人が活躍しています。

<世界の実績>

Google、IBMMicrosoftAdobeといった名だたるアメリカ企業のCEOはインド系の人が占めています。

Google親会社Alphabet 最高経営責任者:サンダー・ピチャイ氏

IBM CEO:アービンド・クリシュナ氏

Microsoft CEO兼会長:サティア・ナデラ氏

Adobe 会長/社長兼CEO:シャンタヌ・ナラヤン氏(インド生まれ・アメリカ国籍)

<日本における実績>

日本でも、株式会社メルカリ(20226月)、PayPay株式会社(202210月)が相次いでインドに開発拠点として設立…日本でもインドを開発拠点に置いている企業は増えてきています。

(参照:メルカリ、インド開発拠点設立のお知らせ)

(参照:インドにPayPay初となる海外開発拠点を設立)

3)教育体制

このように世界からインドの人材を求められるようになったのは、国の教育体制に理由があります。インドでは2005年から小学校3年生からプログラミング授業が必修となっています。小学生でアルゴリズムやフローチャート、中学生でHTMLを使ったWebコンテンツ、アプリケーション開発の授業があります。

 

(参照:諸外国のプログラミング教育を含む情報教育カリキュラムに関する調査)

また、工科大学が多く国内に5,911校(2023年時点)であります。中でも国立インド工科大学が世界的に有名あり、合格率1.5%と言われています。人気がある理由は初任給にあると考えられます。インドにおける新卒全体の初任給の平均年収は約153万円ですが、当該大学の卒業生には数千万円を提示することがあります。一般人が10年かけて稼ぐところを1年で稼げちゃいます…。

(参照:各国・地域における大学進学・留学プロセス分析(P.16))

(参照:TN州で新卒採用にチャンスあり(インド))

1-2. 若い人材が多く将来性がある

インドの平均年齢は約28歳、日本は約48歳と言われています。若手中心に国全体が成長していく可能性を秘めてそうです。GDP2024年は前年比+10.0%で5位、上位5ヶ国の中では一番伸びています。ちなみに日本は+1.3%で最も低いです…。

(参照:【2024年】世界の名目GDPランキング (IMF))

インドの人口ピラミッド

(参照:UN, World Population Prospects (The 2022 Revision))

2. オフショアでインドを選択するデメリット

インドはスキルが高い人が多く魅力的であることを紹介しましたが、メリットだけでなくデメリットも抑えていただきたいと思います。総合的にインドにするか、他国にするか判断しましょう。

2-1. コストのメリットは少ない

そもそもオフショアはコスト削減するための手段の1つですが、インドは他国と比較して人件費が向上しています。コスト削減を優先としたオフショアであればベトナムやミャンマーをおススメします。

オフショア主要国における費用感は以下の通りです。

人月単価(万円)

プログラマー

シニア

エンジニア

ブリッジSE

 

PM

ベトナム

ベトナムの国旗

40.22

49.13

57.73

57.94

フィリピン

フィリピンの国旗

35.83

53.33

81.25

65.83

インド

インドの国旗

50.83

68.75

94.29

111.43

バングラディシュ

バングラデシュの国旗

44.13

46.13

90.96

58.63

中国

中国の国旗

50.51

61.79

79.29

85.77

ミャンマー

ミャンマーの国旗

27.47

54.16

68.33

62.81

※ プログラマー:コーディングや簡単なシステム開発を担当

※ シニアエンジニア:システム設計や開発を担当

※ ブリッジSE:ビジネスサイドとエンジニアサイドを繋ぐ役割を担うエンジニア

※ PM(プロジェクトマネージャー):プロジェクトにおける計画と実行の責任者

 

(参照:オフショア開発白書2023年度版)

2-2. 日本語でのコミュニケーションが取りづらい

日本文化/日本語に関心がある人が他国と比較して薄いのが現実です。

日本語教育機関の調査結果によると、以下の通りとなっています。

※2021年度調査

人数(人)

総人口

日本語学習者

割合(%

ベトナム

ベトナムの国旗

98,200,000

169,582

1.73%

フィリピン

フィリピンの国旗

111,000,000

44,457

0.40%

インド

インドの国旗

1,393,400,000

36,015

0.03%

バングラディシュ

ウクライナの国旗

166,300,000

7,418

0.05%

中国

中国の国旗

1,444,200,000

1,057,318

0.73%

ミャンマー

ミャンマーの国旗

54,800,000

9,646

0.18%

(参照:2021年度 海外日本語教育機関調査)

人口比率から考えてもインドは少ないです。

インドに移住している日本人も少なく日本語でのコミュニケーションを取れる会社は限られるでしょう。英語でコミュニケーションを取れる人は多いので、やり取りは英語になる可能性が高いと言えます。

 

3. インドで選ぶべきオフショア会社の特徴

ここまで国としての特徴を取り上げてきました。ここからはオフショアを依頼する国は、「インドにする!」と決めた方向けになります。

国を決めて、次に会社選びをすることになります。会社を選ぶ上で気を付けておきたいポイントがいくつかありますので、紹介します。

3-1. 日本に本社があり、日本人が経営

オフショア会社は全部で6パターンに分けることができます。その中でタイプAの会社を選ぶようにしましょう。

タイプ

本社所在地

経営者

A

日本

日本人

B

日本

インド人

C

日本

インド、日本人以外

D

インド

日本人

E

インド

インド人

F

インド

インド、日本人以外

タイプDFのようなインドに本社がある会社は基本的にブリッジSEがインド人になるケースが多いので慣れない言語でのコミュニケーションに苦労する可能性があります。また、契約関係もインドの法律を多少は勉強する必要が出てきます。

 

3-2. 日本人ブリッジSEが在籍

ブリッジSEは開発を進めるうえで最重要人物になります。ブリッジSEの力量によってそのプロジェクトの運命が決まると言っても過言ではないでしょう。

その力量を事前に推し量る必要がありますが、様々な視点で評価するようにしましょう。ブリッジSEは日本人が立ってくれる会社を選ぶのが重要です。ただし、前述の通り、インドのオフショア会社で日本人が担当してくれる会社は少ないでしょう。英語でのコミュニケーションでも問題ない人は、それに限りません。

  • 日本人である(ブリッジ以外のエンジニアは現地の人でOK
  • エンジニア出身で、開発ノウハウを持っている
  • 今回依頼する開発内容の類似実績がある
  • 実際に話してみて性格が合う

3-3. 勤続年数5年以上の社員が半数

国外ではジョブホッパーと呼ばれ、スキルアップのために転職を繰り返す文化があり、 2~3年で辞めてしまうことがよくあります。IT業界では5年以上の経験があるとベテランとみなされることがあり、経験とスキルの蓄積ができていることなど、様々なメリットがあります。また、会社としてしっかりとマネジメント体制が取れていることの証明にもなります。依頼した案件で人が入れ替わったりすることが少なく、効率よく品質の良い開発が望める環境であるといえます。

3-4. 依頼する内容に類似する開発実績

インドのエンジニアは、PythonC#C/C++JavascriptJavaを使用したソフトウェア開発を得意としているエンジニアが多いです。とはいえ、もちろん会社によって得意領域は異なります。中には開発やインフラ、AIに強い会社もあります。

どのような言語を使った開発実績が多いのか、得意言語やアーキテクチャを含めて確認すると良いでしょう。今回依頼する予定の類似実績を解像度高く確認することで、よりマッチするか推し量ることができます。

会社の規模が大きいからといって、実績を詳細まで確認せずに進めた結果失敗するケースは良く聞くところです。

3-5. アジャイル開発を採用

システム開発は大なり小なりの原因は様々あるが、開発失敗率は69%にのぼると言われています。その上、国外で行うオフショア開発はコミュニケーションロスも大きな課題となっております。そのため成功へと近づけるためにもアジャイル開発を採用しているかがポイントになってきます。小さな機能単位で開発を進めるアジャイル開発であれば、たとえコミュニケーションのロスが原因で発生したミスも早期に見つけることができ最小限の影響にとどめることが可能になります。

一般的に開発はアジャイル開発とウォーターフォール開発のいずれかの手法で進めていきます。アジャイル開発のように小さな機能単位で行うことで、突発的な仕様変更などに柔軟に対応が可能となるのに対し、ウォーターフォールのように一気通貫での作業だと、スケジュールを引くのは簡単でも管理が難しく、突然の仕様変更などの対応に多くの工数がかかってしまいます。 また、一気通貫での作業のため場合によってはイメージと違うものが完成後に発覚するなど、開発失敗につながる可能性が高いです。

(参照:企業IT動向調査報告書2022)

4. 代表的なインドのオフショア会社5

会社選び

3章では会社選びのポイントを紹介しましたが、インドでオフショアをやっている会社はたくさんあります。多すぎて絞り込めない方に向けて代表的な会社を5社紹介いたします。

※情報は2024年3月時点のものです

4-1. 株式会社AutoMagic

要件定義から対応できる日本人ブリッジSEが在籍しています。日本語でコミュニケーションを取れるのは魅力的です。インドでもエンジニアが約100名在籍しており、会社に登録されている人がさらに約300名います。体制構築もスピーディーにできる会社です。

会社名

株式会社AutoMagicZoai Technologies, LLP

設立

2003年10

従業員数

100名(国内+インド)

本社所在地

(国内)

東京都中央区日本橋茅場町2-1-11

事業領域

Webアプリケーション開発

・スマートフォンアプリケーション開発

・ビッグデータ分析

LoTシステム開発

強み

所属している人数が多く、スピーディーに体制構築ができる

URL

https://automagic.co.jp/

 

4-2. anyenv株式会社

2021年に設立された会社で歴はまだ浅いですが、国内でも各地に拠点を持っている会社です。インドでは、「ビッグデータ活用」「自動音声認識」といった最先端技術をシステム開発に活用することをメインにやっています。日本人がインドに常駐しているので、日本語でコミュニケーション取れるのも魅力的です。

 

会社名

anyenv株式会社

設立

2021年2

従業員数

12名(国内)

本社所在地

(国内)

東京都渋谷区道玄坂2-25-1

道玄坂通5F

事業領域

・ビッグデータを活用したシステム開発

・自動音声認識を活用したシステム開発

・システム/アプリ開発

強み

インドに日本人が常駐しており、上流工程は日本人PMが対応できる

URL

https://www.anyenv-inc.com/

 

4-3. JP 東京・アンド・カンパニー株式会社

本社は東京にありますが、インド以外にもアメリカ、フィンランドにも拠点を持っている会社です。品質管理は日本、開発はインドというハイブリット体制で開発を進める体制となっています。

 

会社名

JP 東京・アンド・カンパニー株式会社

設立

2016年10

従業員数

200名以上(国内+インド)

本社所在地

(国内)

東京都港区赤坂4-1-3

アカネビル 6F

事業領域

DXコンサルティング

ITサービス

・プロダクトエンジニアリング

強み

自動販売機に導入されているデジタル決済システムの開発・保守の実績がある

URL

https://jptokyo.co.jp/jp/index.html

 

4-4. 株式会社グローバルジャパンネットワーク

実績としては、書籍口コミ、レビュー、動画サイト構築、見積もりシミュレーション、補助金サイト、ECサイトなどの開発実績が多いです。

 

会社名

株式会社グローバルジャパンネットワーク

設立

2016年5

従業員数

160名(国内+インド)

本社所在地

(国内)

東京都中央区銀座2-14-1

森山ビル3

事業領域

・業務システム開発

Web系システム開発

強み

海外の最新トレンドを押さえ、トレンドに合わせた提案と技術提供ができる

URL

https://gjnetwork.jp/

4-5. 株式会社NEX-GEN

日本とインドのハイブリッド体制で開発を進める会社です。イノベート、オートメイト、プロモートするためのシステム・アプリ開発が強いです。

 

会社名

株式会社NEX-GEN

設立

2014年11

従業員数

160名(国内+インド)

本社所在地

(国内)

東京都千代田区神田須田町2-25,

GYB秋葉原3F

事業領域

・システム開発

・アプリ開発

強み

AI、機械学習、RPAIoTなどの最新技術を活用したシステム開発の実績が多い

URL

https://www.nexgen-global.com/

5. まとめ

オフショア開発におけるインドについて紹介いたしました。

インドのメリット、デメリットを理解していただいた上で、今回の記事を通して国選びの1つの判断材料としていただければと思います。

今回のプロジェクトにマッチする最適な開発手段が分からない、オフショア開発の国選びにまだ迷っているなど…オフショア開発について、こんなことが知りたい!がございましたら、最下部の「メールで問い合わせる」からお気軽にご相談くださいませ。

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ベトナムのエンジニアマーケットから人員調達ができるため、お客様が必要とする人員数を当社のみで提供できる強みがあります。

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プログラマー、システムエンジニアを経て2001年にサイバーエイド株式会社を設立。
2008年に株式会社インタラクティブ・コミュニケーション・デザインにジョイン後は、2014年にベトナム・ホーチミンでオフショア開発拠点を立ち上げ、2017年に現地法人ICD Vietnam Limited Liability Companyを創業し現在に至る。
創業以降は東京のみならず、各国内地方拠点(札幌、名古屋、大阪)においても積極的にオフショア開発を推進し、国内のITエンジニア不足の解消を目指す。
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