開発リソースとは何だろうか?そう思っているあなたに向けて、解説させていただきます。
IT業界でよく使われますが、様々な意味を持ち使用される言葉の1つです。
しかしながら、様々な意味を持ちながら、開発リソース==人員として考えられることが多いと考えます。
それは日本が抱えるエンジニア不足が影響していると考えられます。
その影響もあってか、「開発リソースが不足している」というワードが良く使われるようになっています。
それではその背景も含めて、「開発リソース」について解説していきます。
目次
1.開発リソースの5つの正体
まず、開発リソースとは下記の5つに分類することができます。
- 人員
- 資金
- 設備
- 情報
- 時間
「開発リソース」はこれら5つ全ての意味を持ちます。
それでは1つずつ解説していきます。
1-1 開発リソースは人員
前述した通り、開発リソースの一番の意味としては人員があげられると考えております。
この人員とは、開発など行うエンジニアにあたります。
その他、開発を管理する、PMなどシステム開発を遂行していくために関係するすべての人員を指します。
1-2 開発リソースは資金
開発を進めていくための、人件費やネットワーク利用料などを指します、
1-3 開発リソースは設備
開発をするためのPCやネットワーク環境などを指します。
1-4 開発リソースは情報
開発言語を使用して開発を進めるための知識やインフラ環境など、
開発に必要となる知見を指します。また、市場情報なども含まれます。
1-5 開発リソースは時間
開発をするための時間を指します。
2.なぜ開発リソース==人員なのか
前述した通り、開発リソースは大半が人員という意味合いで使われるケースが多いと思います。
よく、「開発リソースが不足している」という会話を聞いたことはないだろうか。
要するに開発ができる人員が不足しているという意味合いで使われることが多いでしょう。
それは、日本が抱えるエンジニア不足が背景にあると考えられます。
これから解説する2つの理由によりエンジニア不足となり、
他の要素以上に開発リソース==人員という意味合いが強くなっていると考えます。
2-1 IT需要の高まりで不足している
ITの需要は高まっており、今後も縮小することなく拡大していくと想定しております。
また、日本の中小企業でのIT化への流れは続くことが見込まれ、新たなAI技術の台頭など
ますます需要が高まると考えております。
このことにより、都市部ではエンジニアの取り合いによるエンジニアの不足が今後も恒常的に発生する見込みです。
また、2030年に最大で約79万人ものIT人材が不足するとも予測されています。
この調査ではIT人材の需要と供給についての差をまとめており、
需要の伸びが最も高い高位シナリオなどシナリオ別に予測を算出しております。
低位シナリオですら約16万人の不足が予測されており、
需要に対し供給が追い付かなくなってきていると読み解けます。
参照:「IT人材需給に関する調査」みずほ情報総研株式会社
2-2 技術の高度化により不足している
AIやIotなど様々な技術が発達し便利になっていく反面、必要とされるスキルレベルもより高度なものが求められる傾向に進みそれに対応できる先端IT人材が不足しています。
今後、先端技術(AI、Iotなど)などの第4次産業革命によりさらなる需要の増加が見込まれております。
どれほどの需要が見込まれるか、下記の2つに分けて確認していきましょう。
- 先端IT人材(AI やビッグデータ、IoT 等、第4次産業革命に対応)
- 従来型IT人材(第4次産業革命を除く従来から存在する技術)
2030 年時点の先端 IT 人材・従来型 IT 人材の需給ギャップ(生産性上昇率 0.7%)
IT 需要の伸び | IT 人材需給ギャップ | ||
---|---|---|---|
Re スキル率(1.0%固定) | 従来型 IT 人材 | 先端 IT 人材 | |
IT 需要の伸び「低位」 | 1% | △22.0 万人 | 38.4 万人 |
IT 需要の伸び「中位」 | 2~5% | △9.7 万人 | 54.5 万人 |
無印:需要数>供給数、△:供給数>需要数
IT需要の伸びは「低位」のケースでは、
先端IT人材は需要が供給を38.4万人上回る一方で、
従来型IT人材は供給が需要を22.0万人上回る結果となった。
この結果、単純に合算すると、需要が供給を16.4万人上回る結果となった。
先端IT人材の深刻な不足がIT全体の人員不足の背景になってくると今後想定されており、
IT教育や外国人材の活用など打開に向けての動きが急務となっております。
参照 ・https://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0117nk/n16_2_1.html
・https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf
3.開発リソースの不足に対する5つの対策
開発リソースが不足している、そんな時に対策として検討していただきたい方法を解説していきます。
3-1 人員に対して外注を行う
専門的な知識を持つ業者に依頼を行うことをおすすめします。
外注と一言で言っても、
- 請負
- SES
- ラボ型
- 派遣
- オフショア
など様々な形態があります。 自社の課題にあった形態を選択することで、解決に近づくこと間違いなしです。
下記はより詳細に外注についてまとめております。
3-2 資金に対して一時的でも既存事業に注力し売上を増加させる
開発リソースの資金が不足しているときは、既存事業にまず注力し売上を増加させましょう。
資金が不足している場合は、即座に資金が手に入る借り入れなどの手法もありますが、返済義務などリスクが伴います。
そのため、時間がかかる場合も想定されますが、売上の増加に合わせて、
新たな開発を進めることをお勧めします。
3-3 設備に対して新規導入を行う
設備が不足している場合は、新しく導入すること行いましょう。
その分、費用が掛かってしまいますが、
業務が回らないことの方が会社としての損失につながります。
もちろん、闇雲に導入することはせず、必要な物を精査した上で整えていきましょう。
特に、現場レベルと経営者との認識の齟齬には要注意です。
導入したものの、現場で活用できないものだったなどの事象にならないよう、
すり合わせを行いながら導入しましょう。
3-4 情報に対して定期的な学習機会を設けましょう
不足している情報は、学習して補っていくことが最も重要なことではないでしょうか。
この情報は、開発に関わる知識や市場の動向などがあり、
これらを補うために週に1回勉強会を開き、学習することで対策をしましょう。
企業ごとの予算状況によると思いますが、講師を招いたり、課題を見つけてみんなで調べながら学習するなど、それぞれ特色に合った手法を考えましょう。
定期的な学習機会を作ること以外にも有識者を採用することやコンサル会社に依頼することなどが対策として考えられますが、
費用がかかりすぎることや、採用では時間もかかりすぎるといった背景もあります。
その点、定期的な学習機会を設けることは、明日からでもすぐに実行ができるほどスピード感もあり、
費用も最小限で抑えることができるため、対策として活用してみましょう。
3-5 時間に対して業務の効率化を行う
時間が不足している場合は、現状の業務の見直しを行い、
無駄な作業を排除、効率化していきましょう。
特に社内帳票への対応など、社内業務が煩雑になることでコア業務の効率が悪くなることがあります。
意外と無駄な業務は潜んでいるため、一度見直しを行いましょう。
また、業務効率化を図るためのツールも各種発表されています。
もちろん費用がかかることなので必要に応じて導入してみましょう。
4.開発リソースのまとめ
開発リソースについて解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
様々な意味があるものの、人員としての認識が最も強いということをご理解いただけたかと思います。
弊社では特に使われる、「開発リソースが不足している」という企業様をこれまで多数ご支援させていただきました。
外注のご検討の際には、相談ベースでも構いませんので下記までご連絡をください。
お読みいただいた皆様の一助になれば幸いです。