中国のオフショア開発の特徴|推薦する5つの理由とデメリットを解説

オフショア_中国

「エンジニアのリソース不足で売上の機会損失をなくしたい」そんな思いを抱える方、中国の人材を活用したオフショア開発を検討してみませんか。

アジアでトップクラスのエンジニア数を誇る中国は2000年代初頭より日本からのオフショア開発先として活用され始め、最も歴史のあるオフショア先の1つです。

近年では、台頭してきたベトナムといった東南アジア諸国に人気の座を明け渡していますが、長くオフショア先として積み上げてきた実績など、最優先で検討すべき国の1つだと考えています。

本記事ではこれからオフショアの依頼先として中国を検討している方向けに、推薦する5つの理由と抑えておくポイントについてご説明いたします。

作成にあたってはオフショア開発会社として数十社の実績と、オフショア開発会社及びオフショア開発を導入したことがある会社など約200社以上との打ち合わせなど当社の蓄積データを最大限に活かしながらまとめております。

日本人との違いなども含めて、ぜひお読みいただき、ご参考にしていただければと思います。

※本記事で記載の内容は、中国全ての地域・人・企業に当てはまる内容ではございません。1つの意見・参考例としてお読みください。

 

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1.中国のオフショア開発を推薦する5つの理由

中国ではIT産業の成長も著しく、優先的にオフショア開発の依頼先とすべき国の1つであると考えます。

人口も世界第2位を誇る14億人を超える大国であるなど、ますます成長していくことが考えられます。

そんな中国でのオフショアを推薦する理由を5つに分けて解説していきます。

  • 膨大なエンジニア数
  • 高度な技術レベル
  • 豊富な開発実績
  • リアルタイムで対応可能
  • コミュニケーション能力が高い

 それでは1つずつ見ていきましょう。

1-1 膨大なエンジニア数

大勢のエンジニアたち

オフショアがアジア諸国で行われている背景にはコストカットができるからだけではなく、下記の表が示す通り、世界的にみてもアジアのエンジニア数が約1,030万人と最も多いことも関係していると考えられます。

シェアとしては世界の約4割を占めている状況です。

そのためリソース確保のためにアジアのオフショアを使うことは大きなメリットになるということです。

それでは国別により細かく見たときになぜ中国を推薦するのか「リソース確保」の側面から解説いたします。

 

世界のITエンジニア数のグラフ

引用:ヒューマンソリシア株式会社

 

冒頭で説明した通り、アジアはエンジニア数が最も多い地域ですが、そのアジアでも中国はトップクラスにエンジニアが多くなっております。

最も多いのはインドで343.1万人ですが次いで中国の328.4万人は日本の2倍以上の数となっております。 この数が示す通り、リソース確保にはもってこいの国と考えられます。

そのため、体制構築の速さや、多様な技術を持つエンジニアが多数と考えられることから推薦しております。

※下記は、世界の上位20カ国の国別エンジニア数の値です。アメリカを含むトップ3はそれ以下を大きく突き放す数となっております。

 

国別ITエンジニア数上位20カ国のグラフ

引用:ヒューマンソリシア株式会社

 

1-2 高度な技術レベル

パソコンをタイピングしている画像

次に技術レベルの観点から解説いたします。

中国では技術レベルが高くなってきており、日本からの仕事ばかり受注していると技術が磨かれないため、

中国国内の仕事も受注するといったオフショア企業もあるなど、IT業界の広がりと合わせて、目覚ましい成長を遂げております。

それは、BATH(「Baidu(百度:バイドゥ)」、「Alibaba(阿里巴巴:アリババ)」、「Tencent(騰訊:テンセント)」、「Huawei(華為:ファーウェイ)」)を筆頭にIT企業のレベルが向上したことや、

国家規模のデジタル改革によって中国には優秀なエンジニアが多くなっております。

教育の側面では科学、技術、工学、数学の教育分野を総称したSTEM教育に力を入れており、世界的にも注目されているSTEM分野の学士号の取得者が世界一の470万人(2016年)にも上り、今後も増加傾向にあります。

今や日本以上の技術レベルといわれており、世界からも注目されております。

また、大規模な案件であっても、リソースも多く、素早く優秀な人材を集めることが可能となっております。

※高い技術力を持つのは確かですが、すべてが当てはまるわけではありません。

 個人差、地域差など事前に調査を重ねて信頼できる企業に依頼することがポイントです。

1-3  豊富な開発実績

大型案件や基幹系システム開発、AIIoT、ブロックチェーン開発など高度で複雑な案件も対応できる幅の広さがあります

特に生産管理システム、在庫管理システムなどの業務系・基幹系システム開発は中国では成功事例が多くなっております。

例えば、急成長してるミャンマーやベトナムで、80人月規模といわれた案件でも、中国では60人月で対応可能ということもケースとしては考えられます。

 

1-4 リアルタイムで対応可能

万里の長城の画像

中国は日本からのアクセスも数時間程と隣国である点など、環境面においてもおすすめできます。

中国との時差は-1時間となっており、オフショアの人気国の中では最も少ない時差になっております。

そのため、タイムラグを感じることなく、スムーズなやり取りが可能となります。

緊急対応の案件でも、すぐさま対応できるので、安心して依頼できそうです。

下記は、代表的なオフショア開発国の時差をまとめております。

 

国名時差
インドの国旗インド-3時間30
中国の国旗中国-1時間
バングラデシュの国旗バングラデシュ-3時間
フィリピンの国旗フィリピン-1時間
ベトナムの国旗ベトナム-2時間
ミャンマーの国旗ミャンマー-2時間30

参照:https://www.time-j.net/

 

1-5  コミュニケーション能力が高い

中国では日本語能力の高いエンジニアが多数います。

その背景には日系企業を就職先の候補とすることや留学のためなどで学習者数が世界最大規模となっているためです。2021年度の調査では105万人もの日本語学習者がおり、世界的にみても最多の人数となっております。

また、日本と同じく漢字圏内であることも日本人にとってはプラスに働くこともあります。

参照:https://asiatojapan.com/jgs/recruitment-employment-countries/china/china-japanese/


2.中国のオフショア開発で抑えておくべき3つのポイント

次にデメリットについて解説いたします。

技術力が高いなどのメリットの一方で、考慮すべき3つのポイントが存在します。

しっかりとポイントを抑えたうえで、オフショアの依頼先として検討しましょう。

 

2-1 カントリーリスク

中国政府によるチェックが行われるなど、最悪の場合、開発がストップする可能性があります。

中国ではインターネットに対する行政的な検閲が行われることがあり、情報漏洩や業務への指摘などの影響を考慮する必要があります。

スケジュール調整も余裕をみて立てる必要があることを覚えておいてください。

 

2-2 ビジネスへの考え方により混乱が生じることがある

中国では何か問題が発生した際には仕事を依頼した側に責任があると考えることがあり、責任を発注者側に押し付けることがあります。

これは日本との考え方にそもそも違いが発生しているため、一概にどちらが原因とは言えませんが。

また、一定の水準を満たした時点で、それ以上のものを追求しないという中国の国民性もあります。

そのため技術力は高い反面、こういった考えにより、製品の精度などに問題をきたす可能性があります。

 

この他、反日感情の高まりにも注意する必要があります。中国では国民の感情が政情により左右されることがあり、日本製品に対する不買運動や日系企業の店舗が襲撃されたことも過去には発生しております。

このようなリスクも覚えておく必要があります。

2-3 人件費の高騰

GDPの成長曲線やIT産業の成長に伴い人件費が高騰しております。

他のオフショア拠点となっている国と比較しても高い水準となっております。

そのためコストパフォーマンス最大化したい方は中国以外に依頼することをおすすめします。

しかしながら、前述の通り、品質やリソース面でのメリットを期待する方にはおすすめできます。

下記の図は職種別の1人月単価をまとめております。

 

人月単価(万円)

国名プログラマーシニアエンジニアブリッジSEPM
中国50.5161.7979.2985.77
ベトナム40.2249.1357.7357.94
フィリピン35.8353.3381.2565.83
ミャンマー27.4754.1668.3362.81
インド50.8368.7594.29111.43
バングラディッシュ44.1346.1390.9658.63
日本6010015020010070132

引用:オフショア開発白書2023(https://www.offshore-kaihatsu.com/offshore_hakusho_2023/)36ページ目より

 

※当社で記載している費用相場の記事は下記よりご覧ください。

オフショア開発の費用相場と損しないためのポイントを解説!

 

 

 

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3.中国のオフショア開発企業5

中国を拠点とするオフショア開発企業を一部抜粋し一覧としております。

3-1 トランスコスモス株式会社

ワールドワイドに多事業を展開しており、オフショア開発では開発実績も豊富で、クライアントのあらゆるニーズに対応が可能です。規模感もさることながら品質も強みとしており、魅力的な会社の1つとなっております。

社名トランスコスモス株式会社
設立1985年618
従業員数グループ 70,218名(国内+海外)
本社所在地東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60
得意な開発EC、アプリ開発
HPhttps://www.trans-cosmos.co.jp/

 

3-2 インタセクト・コミュニケーションズ株式会社

20年以上のオフショア開発実績を有し、特に金融系・証券系など高い品質が求められる開発実績が豊富です。スキルの高さが特に魅力的な会社となっております。

社名インタセクト・コミュニケーションズ株式会社
設立2000年111
従業員数グループ972名(国内+海外)
本社所在地東京都千代田区神田小川町三丁目1番地 BMビル
得意な開発金融系・証券系・投資業務系システム開発
HPhttps://www.intasect.com/

 

3-3 株式会社NTTデータインフォメーションテクノロジー

豊富なリソースを基に中国7拠点と連携し、国際専用線・IaaSを含めて、最短2日でプロジェクトの立ち上げが可能であり、アジャイル開発・システム基盤開発等、小規模体制にも費用対効果が期待できます。

社名株式会社NTTデータ インフォメーションテクノロジー
設立2003年71
従業員数272名
本社所在地

東京都江東区豊洲三丁目39

豊洲センタービルアネックス26

得意な開発システム基盤開発
HPhttps://www.nttdata-it.com/

 

3-4 株式会社カナック

日本・中国間のIPビジネスの拡大はもちろん、これまで蓄積してきた優秀な人材・人脈・情報などを活用し、 中国拠点をベースにオフショア開発事業を本格的に展開しております。

社名株式会社カナック
設立1993年3
本社所在地東京都港区芝大門2-10-1第一大門ビル5
得意な開発マイグレーション開発
HPhttps://www.cannac.co.jp/index.html

 

3-5 MBPジャパン株式会社

主に要件定義と基本設計はMBPジャパン、 製造(詳細設計~結合テスト)は中国側のグループ会社にて作業分担を行うことで、 コストメリットを最大限に出し、品質を十分に考慮した顧客満足度の高いシステム開発を実現します。

社名MBPジャパン株式会社
設立2018年31
本社所在地東京都千代田区神田小川町3丁目22-16 第三大丸ビル4
得意な開発生保向け基幹システム、流通業向けシステム
HPhttps://www.mbpsoft.co.jp/

 


4.中国のオフショア開発のまとめ

中国のオフショアについて解説をしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

中国がオフショア開発先として、検討の土台に乗りましたか。

良い点、悪い点を比較しながら、最適なオフショア開発先を見つけていただければと思います。

お読みいただいた皆様の一助になれば幸いです。

 

 

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プログラマー、システムエンジニアを経て2001年にサイバーエイド株式会社を設立。
2008年に株式会社インタラクティブ・コミュニケーション・デザインにジョイン後は、2014年にベトナム・ホーチミンでオフショア開発拠点を立ち上げ、2017年に現地法人ICD Vietnam Limited Liability Companyを創業し現在に至る。
創業以降は東京のみならず、各国内地方拠点(札幌、名古屋、大阪)においても積極的にオフショア開発を推進し、国内のITエンジニア不足の解消を目指す。
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