
オフショア開発の成功の秘訣は90%がコミュニケーションと言っても過言ではないぐらいオフショア開発では、コミュニケーションは重要です。そのため、コミュニケーションが上手く取れればオフショア開発はほぼ成功できると言えるでしょう。しかし、お互いに慣れない言語・文化でのコミュニケーションになるので、苦労するというのは、良く聞くところです。ただ、コミュニケーションさえ上手く取れるようになれば、オフショア開発はコストや体制構築においてメリットがかなりあると思います。本記事では、そんなオフショア開発で上手なコミュニケーションの取り方を紹介します。
弊社はベトナムにオフショア拠点としてラボを構えて約10年が経ちます。そんな弊社がどのようなポイントに気を付けながらコミュニケーションを取って開発を進めているか紹介します。
本記事を読んでいただき、オフショア開発で上手なコミュニケーションの取り方を身に付けていただけると幸甚です。
オフショア開発の概要について知りたい方は、「オフショア開発とは?概要やメリット、成功させるポイントを紹介」の記事をご参照ください。
目次
1. オフショア開発におけるコミュニケーションとは
オフショア開発はコミュニケーションがうまくいけば90%は成功と言っても過言ではないでしょう。なぜ、コミュニケーションがそこまでの割合を占めているのか簡単に紹介したいと思います。
1-1. なぜ上手なコミュニケーションを取れた方が良いのか
上手なコミュニケーションが取れるだけでオフショア開発って成功するのか…?90%成功します。上手なコミュニケーションが取れることにより、自分が思い描いていた成果物が出てきやすくなります。理想を事細かに伝えることでより実現することができるでしょう。
そして、残りの10%は進捗管理です。予定していた納期から遅れないようにデイリーミーティング等で進捗管理して、遅れそうな場合の対策等を事前に講ずることで進捗管理において失敗する可能性は減るでしょう。
そのコミュニケーション90%をクリアするのがなかなか大変なわけですが。。。
1-2. なぜオフショア開発のコミュニケーションで苦労するのか
皆さんのご想像の通り、慣れない言語(外国人)でのやり取りになるため、コミュニケーションに苦労します。ただ、英語でのコミュニケーションに慣れている人であれば英語でのコミュニケーションに苦労することはないでしょう。ここでは日本語でのコミュニケーションを前提として考えます。
例え、先方に日本語⇔母国語の通訳者がいたり、N1の資格を持っていたとしてもニュアンスの違いとか、日本人ならではの感覚は伝わりづらいです。日本人にありがちな、何となく概要は説明したから、あとは良しなによろしく…は通用しません。そのコミュニケーションの取り方では100%失敗するでしょう。仮に良しなによろしくで依頼した場合は、思ったもののと違う成果物が出てくる可能性が高いです。それは国によって感覚が違うためです。色合いだったり、ボタンの配置だったり、見てくれだったり…。日本人にとってはナニコレ?が現地の人にとっては当たり前に感じることが多くあります。
なるべくそういったリスクを減らすためにも日本人ならではの感覚が伝わる人=日本人に窓口として入ってもらうことはマストです。
2. オフショア開発で上手なコミュニケーションの取り方
日本人同士でもうまくいかないこともありますよね…人と人の相性も有ります。ただ、日本人とのコミュニケーションと外国人とのコミュニケーションでは抑えるべきポイントは異なってくると考えます。ここでは外国人とコミュニケーションを取るうえで押さえておきたいポイントを紹介します。
2-1. 相手の国の文化を理解する
まずは相手の国の文化を理解しましょう。どういう働き方なのか、休憩時間は?時差は?残業は?緊急時の対応は?国によって、特性が異なりますので予め把握しておきましょう。Offshore diaryでもそれぞれの国の特徴の記事を公開していますので、ご参考ください。
2-2. 文字だけでなく図面やドキュメントに落とす
文字や言葉だけでは伝わりづらい部分があるので、イラストや図面、図形で表現する方法を取ることで伝わりやすくなります。これは日本人同士のコミュニケーションでも言えることですが、文字だけでは読むのも疲れますよね。この記事も文字だけにならないように頑張ります。
2-3. 短い言葉で直球に伝える
日本人は内弁慶な人が多いからか、自分の意思をストレートに伝えられる人が多くないです。昔に比べてSNSを活用した意思表示は増えてきたように感じますが、仕事上では気を遣ったり、●●ハラスメント…とすぐ言われるので、つい気を遣って直球に伝えるのは少し気が引けますよね。
しかし、海外の場合ははっきりと意思表示をする必要があります。曖昧な表現だと、曖昧なママ進んでしまうので気を付けましょう。また、曖昧な人は敬遠されがちです。
2-4. 英語の耐性を付ける
エンジニア畑であれば耐性が付いている人が多いと思いますが、横書き(カタカナ)文字はオフショア開発だと、より多く見られます。最初は苦手意識があっても徐々に慣れていくかもしれません。自分も勉強しながら開発を進めていくことになるでしょう。
2-5. 忍耐力を付ける
精神論的な話になりますが、忍耐力は大事です。なかなかうまく伝わらずに、ついイラっとしてしまい揉める原因になったり…。国によっては、人前で叱責されることに慣れていない国もあります。また、その後のやり取りもうまくいかなくなるケースが多いです。日本人同士でも最初はコミュニケーションが上手くいかないものです。“オフショア開発だから”ではなく、忍耐強く小まめに連絡を取って、お互いにやりやすいポイントを探っていきましょう。
3. コミュニケーションが上手なオフショア開発企業の5の特徴
3章ではオフショア開発企業の中でもコミュニケーションによる問題を解消するために努力している特徴を紹介いたします。企業選びの材料の1つとしていただければと思います。ちなみに弊社はすべて当てはまりますので、ご安心ください!
3-1. エンジニア経験が豊富な日本人が現地に在籍して、窓口に立つ
例え、ご自身が英語(オフショア開発先の言語)が堪能だったとしても日本人が窓口に立ってくれる会社を選ぶと良いでしょう。会話はできても日本人ならではのニュアンスが伝わらないことが多いです。UI/UXにおいても外国人の感性と日本人の感性でも違ったりします。成果物が出てきたときに何か違和感がある…と思うのはそういう部分から来ます。
日本人が窓口に立ってくれる会社であればその人がプロジェクトをコントロールすることにもなるので、安心できるでしょう。
いわゆるブリッジSEと呼ばれるポジションですが、ブリッジSEについては、「ブリッジSEとは?オフショア開発で欠かせない理由と役割を解説」の記事をご参照ください。
3-2. 通訳者を雇用している
日本人が窓口に立ってくれたところで、現地のエンジニアへ情報伝達が上手くいかないと意味がないでしょう。その日本人が現地に移住して数年経って慣れているとはいえ、念には念を、通訳者がいる会社を選ぶとより質が上がるかもかもしれません。
3-3. デイリーミーティングの対応をしている
デイリーミーティングで10~15分、現地の人とコミュニケーションを取れる時間を設けてくれる会社を選ぶと良いでしょう。日々の進捗確認もできる上にお互いに信頼関係を築く礎になるでしょう。また、ミーティングする際はチャットを活用すると良いです。言葉では上手く伝わらなくても文字にすることで伝わるケースは良くあります。
3-4. ドキュメントが整っている
コミュニケーションの成功のカギは文字をドキュメント化する力です。しかし、そのドキュメントが見づらかったり、精度が低かったりしたら意味を成しません。成功のカギであるドキュメントをどこまでキレイに整えることができるのか、確認しておくことは重要とも言えます。
3-5. 社内行事を頻繁に行っている
社内行事を頻繁に実施している会社は社内の風通しも良く、社内のチームワークが良い証拠かもしれませんね!?その会社のSNSアカウントを覗くと出てくるかもしれません。
4. 弊社(ICD)でのコミュニケーションの工夫
では、弊社(ICD)はどのようなコミュニケーションの工夫をしているか紹介します。簡潔に言うと、3章に記載されていることはすべてやっています!自社でやっていることを3章で取り上げているだけじゃないか、と思われる人は問い合わせから詳細の確認をお願いいたします。
4-1. コミュニケーションの窓口は日本人が立つ
オフショア拠点(ベトナム)に日本人が7名在籍しております。その日本人が必ず窓口として立つ体制を整備していますので、ご安心ください。
こんな人が、現地で活躍しています!
名前 | W.M |
プロフィール | ベトナムにてPMに従事すること10年。 自社開発事業、また、受託開発事業と2つの開発現場の運営に関わっている。 開発現場で肝要なのは「定義」「伝え方」といった管理者責任であると考えている。 そのため、オフショア開発において「言語の壁」は「表面的には存在する」と認識している一方で、開発の成否を決めるのは「管理の仕方」である点では、「日本も諸外国も変わらない」をモットーに、プロジェクトマネジメントに携わっている。 |
4-2. 通訳者を雇用している
日本語が堪能(N2級以上)な現地ベトナム人を通訳者として雇用しています。ドキュメントの翻訳、現地日本人と現地ベトナム人とのコミュニケーションのフォロー役として活躍しています。
4-3. デイリーミーティングをお願いしている
弊社の場合、お客様に日々のデイリーミーティングの参加をお願いしています。一緒に参加することで認識の齟齬や進捗確認をしていただいています。また、オンラインとはいえ日々顔を合わせることでチームワークも築いていくことができます。
4-4. ドキュメントが整理されている
ドキュメントについても細部までこだわっているのが弊社の特徴でもあります。ドキュメントがコミュニケーションの命綱になるためです。実際の案件のドキュメントを見せることはできないですが、弊社の開発手法について図式で整理したものを「なぜオフショア開発ではアジャイル開発が採用されるのか?」記事で取り上げていますので、ご参考ください。
4-5. 社内行事を行っている
弊社では社内行事を豪勢に行っています。最近では、船の上でパーティーを開催したり、、現地の様子は下記のSNSで投稿していますのでご参考ください。また、社員の誕生日は毎回お祝いしています。
「オフショア開発 コミュニケーション」まとめ
オフショア開発におけるコミュニケーションの取り方について紹介してきました。冒頭の通り、オフショア開発成功の秘訣はコミュニケーションがほとんどであることは間違いないでしょう。その中でどうやったら上手くコミュニケーションが取れるか、一番時間を掛けて勉強するべきと考えます。オフショア開発を依頼してから、徐々に信頼関係を築いていくことも重要です。
弊社は会社を立ち上げたから25年が経ちます。長年の経験からシステム開発の手段について様々アドバイスできると思います。また、ブリッジSEには必ず日本人を立てる体制を整えていますのでご安心ください。相談は無料です!お気軽にお問い合わせください。