あなたは今、「オフショア開発」について気になっているところではないでしょうか?
「オフショア開発」はシステム開発の手段の1つであり、海外拠点を生かしてシステム開発を進めることです。海外拠点ということは、開発者は現地の国のエンジニアが開発することが基本となります。そうすることで、「人材確保」や「コストを抑える」というメリットを感じることができます。国内では苦労していたのに、海外に目を向けると意外と簡単に実現することができます。
そんなオフショアについて、オフショア開発会社としてベトナムにラボを設立してから10年経ち、数百社との取引実績と、オフショア開発会社及びオフショア開発を導入したことがある会社など約200社以上との打ち合わせ実績がある当社の蓄積データを最大限に活かし、「オフショア開発」について解説いたします。
本記事を読んでいただき、アウトソーシングの中の1つであるオフショアを選択する判断材料に少しでもお役に立てたら幸甚です。
目次
0. はじめに:弊社がオフショア開発に魅力を感じる部分
オフショア開発の概要に入る前に0章(前置き)という形で、何故弊社がオフショア開発に積極的に取り組んでいるか紹介します。
0-1. スキルの高い人材を苦労することなく確保できる
国にもよりますが、実は日本よりもスキルの高い人が多い国がいくつかあります。その中でもベトナムはIT大国を目指している国で、親日国という観点から日本からのオフショア先として人気があります。
何故、スキルが高い人が多いのか、2章で具体的なデータを紹介しますが、日本は社会人になってから未経験者でもエンジニアになることができます。海外はシステム関連の学科を卒業していないと、エンジニアとして働くことが困難な国もあります。そのため、海外のエンジニアの方が基礎はしっかりしており、新卒から即戦力になるケースが多く、そういった側面からもスキルの高い人材が豊富にいることが分かります。
人材が豊富にいるというのは弊社としても実感しており、求人を1ヶ月掲出すると、50~60人から応募が殺到するのが平均です。
0-2. コストを抑えることができる
上記の通り、スキルが高い人を確保しつつ、コストを抑えることができます。これは、現地の給与水準(物価)で給与を支給しているためです。
2章では弊社の事例を交えて紹介しますが、最大で約1/2までコストを抑えることができます。
これらの魅力を感じて、弊社ではオフショア開発に力を入れています。
1. オフショア開発とは
それでは、本題に移りますが1章ではオフショア開発とは何ぞやをヒモ解いていきます。
1-1. オフショア開発とは、海外の開発拠点を活用すること
オフショア開発とは、海外の開発拠点を活用することです。
WEBシステム開発、アプリ開発、インフラ構築などを保守・運用も含めて依頼することができます。上流工程は国内で実施して、下流工程をオフショア開発するといった切り出しでの活用の仕方もあります。
オフショア開発以外には、国内で地方企業に依頼するニアショア開発というのが存在します。ニアショア開発については詳細は以下の記事をご参照ください。
1-2. オフショア開発の主な目的は2つ
発注者がオフショア開発を活用する理由は主に2つと言われています。
- 開発リソースを確保する
- コストを削減する
少数派ですが上記2つ以外にも以下のような目的も考えられます。
- 企業のグローバル戦略の一貫
- 開発スピード向上のため
- 海外に拠点があり、海外でコミュニケーションを取るため
- クライアントからの要望
- 社内の外国人エンジニアからの薦め など
2. オフショア開発のメリット
2章ではオフショア開発のメリットを深堀していきます。このメリットを感じていただき、よりオフショア開発を魅力的に感じていただければと思います。
2-1. 最大で約1/2コストを抑えられる経済的魅力
案件によりけりですが、最大で約1/2コストを抑えることができます。一例として、弊社のウェブサイト開発(オンサイトでSE1名、PG4名規模)の参考価格を日本の開発とベトナムオフショア開発で比較した場合、下記の通りとなります。
※金額は、月額となります。
日本で開発した場合 4,200,000円/月
ベトナムで開発した場合 2,360,000円/月
※1か月で約1,840,000円(約44%削減)の差がありオフショア開発を行う事で、年間で約22,080,000円のコストを抑えることができます。
ただし、昔と比較して日本の給与水準は横ばいで、海外は右肩上がりであることは有名な話です。海外の人件費の高騰は否めません。昔よりもコスト面でのメリットは減ってきています。あれ?思ったよりも安くないな…と思う人もいるかもしれません。
コストで比較した記事があるので、詳細は下記をご参照いただければと思います。
2-2. スキルの高い人材を確保
日本の場合、未経験者でも社会人になってからエンジニアになれますが、海外は情報工学関係の大学・学部を卒業していないとエンジニアになれないケースが多いです。日本はITエンジニア不足と言われているだけあって、その敷居が低いように思います。
ベトナムを例にとってみてみると、情報工学関係の大学・学部を卒業している割合は83%です。日本は25%です…。
(参照:IT人材白書2020)
ベトナム人にとって、ITエンジニアは憧れの職業でもあります。ほかの職種よりも高い給与をもらうことができるためです。国立大学の情報工学科(IT系の学科)は、医学部の次に入るのが難しいと言われています。
ITエンジニアとして就職するのも難しく、情報工学科出身の人しか就職できないような狭き門となっています。そのため、勤勉で地頭が良い人が多いのも特徴的です。
弊社では以下の実体験がありました。
- Next.jsのSSR、SSGを利用してWebページの読み込み速度を向上
- Webアプリ上で収集されたログを解析し、エラーを解消するためのコード修正
➡ 新卒入社1年目のエンジニアが完了
2-3. 統率の取れたチーム編成
ラボ型契約の場合、一定期間(契約期間)現地の同じエンジニアを自社のエンジニアとして活用することができます。そのため、1つの案件だけでなく、複数の案件を依頼しても同じメンバーで開発を進めることができます。お互いの信頼関係を構築しながら、期間が長くなるほど阿吽の呼吸で開発を進められるようになるかもしれません。
3. オフショア開発で気を付けたいポイント
3-1. コミュニケーションの取り方
オフショアの成功のカギはコミュニケーションの取り方にあります。海外の人材を活用するので、日本人同士の感覚は通用しづらいので気を付けましょう。
日本語を話せる人がコミュニケーターとして窓口に立ってくれる(ブリッジSE)ケースがほとんどですが、日本人感覚ならではの「良しなによろしく」は通用しないことを念頭に置くと良いでしょう。
より丁寧に言葉にして、図式にして、ドキュメントにして、伝えることを心がけましょう。
オフショア開発でのコミュニケーションの取り方については、以下の記事で詳細を記載しています。
3-2. 予算の管理
オフショアは、コストを削減することがメインの目的になると思いますが、結果的に日本で開発した場合と変わらないケースがあります。
コストメリットを最大化するためには、開発を依頼した後の進捗管理・品質管理が重要になってきます。可能な限り毎日デイリーミーティングを実施して、日々の進捗管理し、開発に遅れがないか、進め方に問題ないか確認することが重要になります。問題あれば、その場で軌道変更する必要があります。ある程度経ってから気づいて軌道変更すると、その分時間が掛かり、費用も掛かることになってしまいます。
3-3. 契約手続き
海外に本社を置いている会社との取引だと、現地の法律を多少なりとも勉強する必要があるので、思わぬ落とし穴があるかもしれません。それを避けるためにも、日本に本社がある会社を選ぶと良いでしょう。
また、契約書の内容はしっかりと確認しましょう。以下の点は必ず確認しておきましょう。
- 金額
- 納期
- 支払日と取引通貨
- トラブルが発生した時の補償範囲
- 納品形態のファイル形式
- 納品後のアフターフォローの内容
- 納期に間に合わなかった時の責任の所在
3-4. 国による特徴の違い
オフショアを実施している主要国はいくつかあります。
その割合は下記のグラフの通りです。
それぞれについて、特徴を見てみましょう。
ベトナムが「◎」が一番多いことからもベトナムが人気である理由が分かってきます。
国 | コスト | スキル | コミュニケーション | インフラ |
ベトナム | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ |
フィリピン | 〇 | ▲ | 〇 | 〇 |
インド | ▲ | ◎ | ▲ | ◎ |
バングラディシュ | 〇 | ▲ | 〇 | ▲ |
中国 | ▲ | ◎ | 〇 | 〇 |
ミャンマー | ◎ | 〇 | 〇 | ▲ |
4. 選ぶべきオフショア会社の特徴
ここまでオフショアの特徴を紹介してきました。ここからはオフショア開発を実際に取り入れてみたい!という人向けになります。
国を決めて、次に会社選びをすることになります。会社を選ぶ上で気を付けておきたいポイントがいくつかありますので、紹介します。
4-1. 日本に本社があり、日本人が経営している
オフショア会社は全部で4パターンに分けることができます。その中でタイプAの会社を選ぶようにしましょう。
タイプ | 本社所在地 | 経営者 |
A | 日本 | 日本人 |
B | 日本 | 外国人 |
C | 海外 | 日本人 |
D | 海外 | 外国人 |
タイプC,Dのような海外に本社がある会社は基本的にブリッジSEが現地の人になるケースが多いので慣れない言語でのコミュニケーションに苦労する可能性があります。また、契約関係もその国の法律を多少は勉強する必要が出てきます。
4-2. 日本人ブリッジSEが在籍している
ブリッジSEは開発を進めるうえで最重要人物になります。ブリッジSEの力量によってそのプロジェクトの運命が決まると言っても過言ではないでしょう。
その力量を事前に推し量る必要がありますが、様々な視点で評価するようにしましょう。大前提として、ブリッジSEは必ず日本人が立ってくれる会社を選ぶのが重要です。
- 日本人である(ブリッジ以外のエンジニアは現地の人でOK)
- エンジニア出身で、開発ノウハウを持っている
- 今回依頼する開発内容の類似実績がある
- 実際に話してみて性格が合う
4-3. 勤続年数5年以上の社員が半数である
国外ではジョブホッパーと呼ばれ、スキルアップのために転職を繰り返す文化があり、 2~3年で辞めてしまうことがよくあります。
IT業界では5年以上の経験があるとベテランとみなされることがあり、経験とスキルの蓄積ができていることなど、様々なメリットがあります。
また、会社としてしっかりとマネジメント体制が取れていることの証明にもなります。依頼した案件で人が入れ替わったりすることが少なく、効率よく品質の良い開発が望める環境であるといえます。
4-4. 依頼する内容に類似する開発実績がある
会社や国によって得意領域は異なります。必ずその会社の実績を確認することが重要です。例えばシステム開発でも、どのような言語を使った開発実績が多いのか、得意言語やアーキテクチャを含めて確認しましょう。今回依頼する予定の類似実績を解像度高く確認することで、よりマッチするか推し量ることができます。
会社の規模が大きいからといって、実績を詳細まで確認せずに進めた結果失敗するケースは良く聞くところです。
4-5. アジャイル開発を採用している
システム開発は大なり小なりの原因は様々あるが、開発失敗率は69%にのぼると言われています。その上、国外で行うオフショア開発はコミュニケーションロスも大きな課題となっております。そのため成功へと近づけるためにもアジャイル開発を採用しているかがポイントになってきます。小さな機能単位で開発を進めるアジャイル開発であれば、たとえコミュニケーションのロスが原因で発生したミスも早期に見つけることができ最小限の影響にとどめることが可能になります。
一般的に開発はアジャイル開発とウォーターフォール開発のいずれかの手法で進めていきます。アジャイル開発のように小さな機能単位で行うことで、突発的な仕様変更などに柔軟に対応が可能となるのに対し、ウォーターフォールのように一気通貫での作業だと、スケジュールを引くのは簡単でも管理が難しく、突然の仕様変更などの対応に多くの工数がかかってしまいます。 また、一気通貫での作業のため場合によってはイメージと違うものが完成後に発覚するなど、開発失敗につながる可能性が高いです。
オフショア開発でのアジャイル開発については、詳細は以下の記事で記載しています。
5. オフショア開発は、株式会社インタラクティブ・コミュニケーション・デザイン(以降:ICD)
5-1. 必ず日本人ブリッジSEが立つ
ICDには6人(2024年2月時点)の日本人ブリッジSEが在籍しています。
個々の能力差は出てしまいがちですが、その差をなくすためにICDでは教育体制をしっかりと築いています。
そのため、6人のうち誰が担当になっても安定したサービスを提供できるようになっています。
また、日本人が必ず窓口として立ちますので、5章で取り上げたような気を付けたいポイントをご自身でわざわざマスターする必要はありません。ベトナム人のコントロールも日本人ブリッジSEに任せてください。
<ブリッジSEの紹介>
こんな人がICDのブリッジSEとして勤めています。
名前 | W.M |
入社日 | 2014年 |
プロフィール | ベトナムにてPMに従事すること10年。 自社開発事業、また、受託開発事業と2つの開発現場の運営に関わっている。 開発現場で肝要なのは「定義」「伝え方」といった管理者責任であると考えている。 そのため、オフショア開発において「言語の壁」は「表面的には存在する」と認識している一方で、開発の成否を決めるのは「管理の仕方」である点では、「日本も諸外国も変わらない」をモットーに、プロジェクトマネジメントに携わっている。 |
※ICDでは、規模を拡大中です!ブリッジSEとなって、一緒にベトナムを盛り上げませんか?
5-2. 1ヶ月以内に体制構築できる
ICDは独自の採用ノウハウを持っています。
例えば新しいプロジェクトのスタートにあたってエンジニアを揃えないといけないとなった時にICD独自の採用スキームを取り入れることによって約1ヶ月求人募集をすると、平均で50~60人程度の応募が来ます。その中からスキル感やキャラクター性から当該プロジェクトにマッチするか面接や技術テストを通して評価し、お客様へご提案いたします。
さすがに全員が新規採用だと心配…、もちろんそこもカバーします。もともとICDに所属しているブリッジSEクラスの能力を持っているSEを必ずリーダーとして立てるようにしています。
5-3. 技術年数が長いベテラン層が多い
ほとんどの会社は技術年数3年以内が6割近く占めているところ、ICDの場合は技術年数5年以上のスタッフが8割を占めています。
このことからもスキルに関しては、ご安心いただければと思います。
※以下のグラフは、社員各々のスキルシートを集計してグラフ化したデータになります。
5-4. 日本人好みのデザインで制作する
- 色合い
国によって好みの色合いが異なります。それはベトナムでも言えることであり、日本人からしたら「何でこの色合いにしたの?」と思うケースも良くあることです。ICDではそこをカバーするためにデザインの監修として日本人が必ずチェックするようにしています。
- UIデザイン
WEBページの配置等でも国によって好みが異なります。それはベトナムでも言えることであり、日本人からしたら「何でここにナビゲーションがないの?」と思うケースも良くあることです。色合いと同じく、その部分も日本人が必ず監修するようにしています。
例えば…楽天等の良くあるECサイトを思い浮かべてください。
商品カテゴリーの表示は、サイドナビゲーションにあるのが一般的に思われますが、ベトナムのECサイトだとありません。(昔はありましたが、最近は無くすのが流行りみたい)日本人の感覚からしてサイドナビゲーションが無いと違和感があるかもしれません。
<イメージ>
5-5 開発環境が整っている
- プロジェクト全体の明確化
納品までのフローを明確化することにより、お客様にも信頼をいただいています。プロジェクトにもよりますが、以下のようなフローをベースとして組んでいます。
- 開発サイクルの明確化
ICDでは以下のような開発サイクルを採用しています。これらを明確化することにより、お客様にも信頼いただいています。また、チケットドリブンを取り入れていますので、開発の工程を細かなタスク(チケット)で進めるため、担当者ごとに細かくタスク管理をすることができます。また、誰がどのコードを編集したのか可視化することで、ブラックボックス化を防ぐことができます。また、些細なミスの早期発見にも繋がり、大きなトラブルを防ぐことができます。
5-6 会社の実績を紹介
- 位置情報活用アプリ
位置情報と、写真データを組み合わせたライフログアプリ。地図上に写真を配置してライフログを残せるほか、ダウンロード用コンテンツも提供しており、すると生活に役立つ様々な地図を取得できます。
初期開発から担当しており、大規模なプロジェクトもコストを抑えつつ、オフショア開発での実現も可能となっております。
開発規模 | 20人月 |
開発言語・技術 | Swift, Java |
開発費用 | 2,000万円 |
- 不動産デベロッパーが提供する施設検索ポータルサイト
メインの賃貸物件サイトと連携するサービスサイト。目的に応じた施設情報や季節に応じた観光名所案内など、賃貸物件検索以外のニーズに対応したお役立ち情報サイトです。地域密着型のサービスの提供を目的とし、若者から高齢者まで広い階層に楽しく利用してもらうことを念頭に制作しました。
開発規模 | 12人月 |
開発言語・技術 | HTML, CSS, JavaScript, PHP |
開発費用 | 700万円 |
- 社内管理システム
弊社の社内システムです。設計からリリースまでの開発作業をすべて自社内で完結させています。プロジェクトの工数管理や従業員情報管理などをまとめて1箇所で確認できるシステムです。
開発規模 | 6人月 |
開発言語・技術 | GoogleAppEngine, mySQL, next.js |
開発費用 | 350万円 |
そんな実績多数のICDに、ベトナムオフショアならお任せください!
東建コーポレーション様やカインズ様といった大手企業様との取引が多数あり、10年以上ベトナムでオフショア開発を提供してきたノウハウを用いて、お客様にオフショア開発の魅力を提供いたします。興味があるけど、海外というハードルの高さから一歩踏み出せない方、今一歩踏み出すチャンスです。
お気軽にお問い合わせください。
6.まとめ
オフショア開発の魅力について伝わりましたでしょうか?もっと細かいところまで知りたい!という方は最下部「メールで問い合わせ」よりお気軽にお問い合わせください。
そして、弊社は実際にベトナムにラボを持っている会社です。弊社とご縁があった際には、ベトナムに行けるかもしれません…!