円安時代にオフショア開発を上手に活用方法する方法を解説

円安時代のオフショア開発とは

円安が続く今、オフショア開発のコストメリットが薄れるという声も聞かれます。しかし、戦略的なアプローチを取ることで、円安の影響を最小限に抑えつつ、高品質な開発を継続することが可能です。本記事では、円安時代のオフショア開発の現状と課題、そして具体的な対策について解説します。

弊社はベトナムにオフショア開発拠点を構えてから約10年経つ会社です。実際にオフショア開発を運営しているからこそ分かることを本記事では交えて解説していきます。

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1. 円安がオフショア開発に与える影響

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まず1章では円安がオフショア開発にどのような影響を与えるのか解説していきます。

1-1. 人月単価の上昇と為替リスク

円安の影響により、オフショア開発における人月単価は上昇傾向にあります。 特に、ベトナム、インドなどの新興国では、IT人材に対する需要が非常に高まっており、それに伴って人件費も増加しています。 この状況下では、為替リスクを適切に管理することが不可欠であり、契約時のレート設定や支払い通貨の選択を慎重に行う必要があります。
企業は、為替変動に備えたリスクヘッジ戦略を策定し、コストの予期せぬ増加を最小限に抑える必要があります。これには、為替予約の活用や複数通貨での支払いオプションの検討などが含まれます。また、オフショア開発パートナーとの交渉を通じて、 為替変動の影響を分担する契約条件を確立することも重要です。人月単価の上昇と為替リスクは、オフショア開発のコスト効率に大きな影響を与えるため、 企業はこれらの要因を十分に理解し、適切な対策を講じる必要があります。

1-2. 日本法人の有無でリスクヘッジ

オフショア開発会社を選定する際、日本法人があるかどうかは非常に重要な検討ポイントです。日本法人がある場合、契約やコミュニケーションにおけるリスクを大幅に軽減することが可能です。
日本法人を通じて、日本国内の法律に準拠した契約を結ぶことができるため、 万が一トラブルが発生した場合でも、日本の法律に基づいて対応を進めることができます。また、日本法人とのコミュニケーションは、言語や文化の壁を越えて円滑に行うことができるため、 プロジェクトの進行における誤解や遅延を防ぐことができます。 さらに、日本法人を持つオフショア開発会社は、 日本のビジネス習慣や文化を理解していることが多いため、 よりスムーズな連携が期待できます。
したがって、オフショア開発を検討する際には、 日本法人の有無をリスクヘッジの観点から慎重に評価することが重要です。
さらに日本人のブリッジSEという存在が必要不可欠です。日本人が窓口に立つことで日本人ならではの感覚も現地のブリッジSEよりは通じやすく、コミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
ブリッジSEについては、「ブリッジSEとは?オフショア開発で欠かせない理由と役割を解説」の記事をご参照ください。

1-3. オフショア開発のメリット再確認

円安によってコストメリットが相対的に薄れる状況下でも、 オフショア開発は依然として多くのメリットを提供します。特に、日本国内における深刻なIT人材不足を背景に、 海外の優秀なエンジニアを活用することで、開発スピードの大幅な向上が期待できます。
オフショア開発を活用することで企業はリソースの制約から解放され、より多くのプロジェクトを同時並行で進めることが可能になります。また、海外のエンジニアは、多様な技術スキルや経験を持っていることが多く、日本国内では得られない専門知識を活用することができます。
さらに、オフショア開発は、 24時間体制での開発やテストを可能にし、 開発期間の短縮に貢献します。 したがって、円安の影響を考慮しつつも、オフショア開発の潜在的なメリットを再評価し、 戦略的に活用することが重要です。

2. 円安時代のオフショア開発戦略

それでは2章では具体的にこの円安時代にどのようにオフショア開発を活用したらより効果を最大化できるか解説していきます。

2-1. ニアショア開発との組み合わせ

ニアショア
オフショア開発とニアショア開発を戦略的に組み合わせることで、コスト効率と品質のバランスを最適化することが可能です。
例えば、プロジェクトの初期段階である要件定義や設計などの上流工程は、ニアショア開発を活用して、綿密なコミュニケーションと質の高いアウトプットを確保します。一方、開発やテストなどの下流工程は、オフショア開発に委託することで、コストを抑えつつ、効率的な開発体制を構築します。 このような使い分けにより、各開発拠点の強みを最大限に活かし、プロジェクト全体の成功確率を高めることができます。
また、ニアショア開発とオフショア開発の連携を強化することで、 技術的な知識やノウハウの共有を促進し、開発チーム全体のスキルアップを図ることも可能です。 したがって、円安時代においては、 ニアショア開発とオフショア開発の組み合わせを積極的に検討し、最適な開発体制を構築することが重要です。
まさに弊社は、ニアショア開発(北海道)+オフショア開発(ベトナム)での体制構築が可能です。少しでもこの体制に興味がある方はお問い合わせください。相談は無料です!
お問い合わせはこちら ⇒⇒⇒ https://offshore.icd.co.jp/contact
ニアショア開発については、「ニアショア開発とは?オフショア開発の違いとメリットを解説」の記事をご参照ください。

2-2. 開発パートナーの見直し

円安が進行する状況下では、オフショア開発パートナーの選定基準を根本的に見直す必要があります。従来のコスト重視の選定から、品質、コミュニケーション能力、技術力、 そして長期的な視点での信頼性を総合的に評価する選定へとシフトすることが求められます。
単にコストが安いだけでなく、 高品質な成果物を安定的に提供できるパートナーを選ぶことが、プロジェクトの成功には不可欠です。また、円滑なコミュニケーションは、プロジェクトの進行における誤解や遅延を防ぎ、効率的な開発を可能にします。さらに、最新技術に対応できる技術力を持つパートナーは、競争優位性を確立するための重要な要素となります。したがって、円安を機に、オフショア開発パートナーを戦略的に見直し、長期的な成功を支えることができる最適なパートナーを選定することも重要でしょう。

2-3. 契約形態の多様化

従来の請負型開発に加えて、ラボ型開発やアジャイル開発など、契約形態を多様化することで、 円安リスクを効果的に軽減することができます。ラボ型開発では、一定期間、専属のエンジニアチームを確保できるため、 長期的なプロジェクトや、仕様変更が頻繁に発生するプロジェクトに最適です。
アジャイル開発は、柔軟な開発体制を構築し、変化に迅速に対応することを可能にします。 また、プロジェクトの進捗状況を可視化し、リスクを早期に発見することができます。さらに、契約形態を多様化することで、オフショア開発パートナーとの関係性を強化し、より密な連携を築くことができます。したがって、円安時代においては、プロジェクトの特性やニーズに合わせて、最適な契約形態を選択し、円安リスクを軽減することが重要です。
ラボ型開発については、「ラボ型開発とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説」の記事をご参照ください。
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3. オフショア開発における注意点

3章では実際にオフショア開発を導入するのにあたり注意しておきたい点を解説します。

3-1. コミュニケーションの重要性

コミュニケーションをとっているイラスト
オフショア開発においては、言語や文化の違いからコミュニケーションがうまくいかないケースが少なくありません。そのため、定期的な会議やチャットツール、ビデオ会議システムなどを積極的に活用し、密なコミュニケーションを心がけることが非常に重要です。プロジェクトの進捗状況や課題、変更点などをリアルタイムで共有し、誤解や認識のずれを最小限に抑える必要があります。また、言語の壁を克服するために翻訳ツールや通訳者の活用も検討すべきです。
さらに、文化的な違いを理解し、相手の立場や考え方を尊重する姿勢が、良好なコミュニケーションを築く上で不可欠です。したがって、オフショア開発を成功させるためには、コミュニケーションを最優先事項として捉え、積極的に取り組む必要があります。
弊社では、1週間に1回定例会を設けて数十分でも進捗確認を実施しています。
オフショア開発でのコミュニケーションの取り方については、「オフショア開発における上手なコミュニケーション取り方を紹介」をご参照ください。

3-2. 品質管理の徹底

オフショア開発において、品質管理は極めて重要な課題となります。レビューやテストを徹底的に行い、品質基準を満たす成果物を確実に納品してもらうよう、 厳格な品質管理体制を構築する必要があります。開発プロセス全体を通して、品質チェックを組み込み、早期に問題を発見し、修正することが重要です。
また、自動テストツールや静的解析ツールなどを活用することで、効率的に品質を向上させることができます。オフショア開発パートナーとの間で、品質基準やテスト方法について明確な合意を形成し、共通認識を持つことが重要になってきます。
オフショア開発での品質管理については、「オフショア開発の大きな課題の1つは品質にあり」をご参照ください。

3-3. 知的財産権の保護

オフショア開発では、知的財産権の保護も非常に重要な課題となります。 契約書に知的財産権に関する条項を明確に明記し、秘密保持契約(NDA)を締結するなど、適切な対策を講じる必要があります。開発に使用するソースコードやドキュメント、設計図などの機密情報を厳重に管理し、不正アクセスや情報漏洩のリスクを最小限に抑える必要があります。
また、オフショア開発パートナーのセキュリティ体制を評価し、信頼できるパートナーを選定することが重要です。知的財産権侵害が発生した場合の対応策を事前に策定しておくことで、迅速かつ適切に対処することができます。

4. オフショア開発の未来と展望

4章ではオフショア開発の未来がどうなっているかあくまで予想に過ぎないですが、解説していきます。

4-1. さらなるITコスト増の可能性

円安だけでなく、世界的なインフレの進行やIT人材の慢性的な不足など、 ITコストは今後も増加する可能性が高いと考えられます。そのため、オフショア開発だけに依存するのではなく、クラウドサービスの積極的な活用や内製化の推進なども視野に入れ、総合的なコスト削減戦略を検討する必要があります。クラウドサービスを活用することで、インフラコストや運用コストを削減し、柔軟なITリソースの利用が可能になります。また、内製化を推進することで外部依存度を下げ、自社の技術力を向上させることができます。さらに、ITコストの可視化を行い、 無駄なコストを削減することも重要です。ITコスト増の可能性に備え、 総合的なコスト削減戦略を策定し、持続可能なIT投資を実現することが重要です。
最近、良く言われているのが日本が逆にオフショア開発拠点として活用される可能性があるということです。
日本は給与水準が昔から横ばいです。一方で諸外国は右肩上がりに上昇しています。このままではそのうち逆転される可能性が十分にあります。逆転されると、日本人は人件費が安いから活用すべき!みたいな世界的な風潮になりえなくはないでしょう。

4-2. AI技術の活用

AI技術を積極的に活用することで、オフショア開発の効率を飛躍的に向上させることが可能です。例えば、AIによる自動テストや翻訳ツール、プロジェクト管理ツールなどを活用することでコスト削減や品質向上を実現できます。
  • 自動テストは、テスト工数を大幅に削減しテストの精度を向上させることができます。
  • 翻訳ツールは、言語の壁を越えて円滑なコミュニケーションを支援します。
  • プロジェクト管理ツールは、プロジェクトの進捗状況を可視化し、リスクを早期に発見することができます。
AI技術を積極的に導入し、オフショア開発の生産性を向上させることも今後必要になってくるでしょう。
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「オフショア開発 円安」まとめ

円安時代においても、オフショア開発は依然として有効な選択肢です。 しかし、これまで以上に戦略的なアプローチを取り、コストと品質を高いレベルで両立させる必要があります。
ニアショア開発との組み合わせ、 開発パートナーの徹底的な見直し、 契約形態の多様化、そしてAI技術の積極的な活用など、 様々な対策を総合的に検討し、 自社に最適なオフショア開発戦略を構築することが重要です。
変化する経済状況や技術トレンドに常に目を配り、柔軟かつ迅速に対応することで競争優位性を確立し、持続的な成長を実現することができます。
弊社は会社を立ち上げたから24年が経ちます。さらにベトナムにオフショア開発拠点を立ち上げてから約10年が経ちます。オフショア開発、ニアショア開発、常駐型と様々な形で体制構築できることが強みです。
システム開発で行き詰った時には、どんな些細なことでも、お気軽にお問い合わせいただければと存じます。相談は無料!です。

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