デジタル技術を活用したBPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）である「デジタルBPO」が注目されています。本記事では、デジタルBPOの概要から、導入によるメリット・デメリット、さらには成功事例までを詳しく解説します。企業の業務効率化を検討している方、DX推進に関わる方は必見です。
弊社はシステム開発会社です。まさに様々な企業のデジタルBPOの支援をしている会社であり、デジタルBPOを導入することでクライアント様の企業価値を高めることをしています。会社を立ち上げてから約25年経つこれまでの経験から本記事を通してデジタルBPOについて解説していきます。
1.デジタルBPOとは？従来のBPOとの違い
近年はデジタルBPOが注目されています。従来までのBPOと何が違うのか1章では解説していきます。
1-1.デジタルBPOの定義と特徴
デジタルBPOとは、ビジネス・プロセス・アウトソーシング（BPO）にデジタル技術を組み込んだものです。具体的には、RPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）／AI（人工知能）／アナリティクス／クラウドコンピューティングなど…技術を活用して、業務プロセスを自動化、効率化、高度化することです。
従来のBPOが主に人的リソースの外部委託であったのに対し、デジタルBPOはテクノロジーを活用することで、より高度な業務改善やビジネス変革を目指します。デジタルBPOの特徴は、単なるコスト削減だけでなく、業務プロセスの可視化、データ分析による改善、顧客体験の向上など…多岐にわたります。また、デジタル技術の導入により、24時間365日のサービス提供や人的ミスの削減、セキュリティの強化なども実現可能です。
結果的に企業はデジタルBPOを導入することで、自社のリソースをより戦略的な業務に集中させることができます。
1-2.従来のBPOとの違い
従来のBPOは、主に人手を介した業務の外部委託が中心でした。例えば、コールセンター業務／経理業務／人事労務業務など…外部の専門業者に委託することで、コスト削減や業務効率化を図っていました。しかし、従来のBPOでは、業務プロセス自体は大きく変わらず、効率化の余地も限られていました。
一方、デジタルBPOは、RPAやAIなどのデジタル技術を積極的に活用することになります。RPAは、定型的な繰り返し作業を自動化／AIは、高度な判断や分析を必要とする業務を支援します。これにより、従来のBPOでは難しかった大幅な効率化やより高度な業務改善が可能になります。
例えば、AIを活用したチャットボットによる顧客対応や、RPAによる請求書処理の自動化などが挙げられます。
1-3.デジタルBPOが注目される背景
近年、企業はDX（デジタルトランスフォーメーション）を推進する必要に迫られています。DXとは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや組織、プロセス、企業文化を変革して競争優位性を確立することです。デジタルBPOは、このDXを推進するための重要な手段の一つとして注目されています。
デジタルBPOを導入することで、企業は自社のリソースをコア業務に集中させ、デジタル技術の導入や運用を外部の専門業者に委託することができます。これにより、DXの推進を加速させて新たなビジネス価値を創造することが可能になります。また、デジタルBPOは、企業の規模や業種を問わず、様々な分野で活用されており成功事例がたくさんあります。
※DXの詳細が知りたい方は、「 DX推進がなぜ必要なのか？推進すべき理由と成功事例を紹介 」の記事をご参照ください。
2.デジタルBPO導入のメリット・デメリット
ここまでのところデジタルBPOは業務が効率的になるし、メリットしかないやん。という感じですが、メリットの裏にはデメリットもありますので、メリットと合わせて紹介したいと思います。
2-1.【メリット】業務効率化とコスト削減
デジタルBPO導入の最大のメリットの一つは、業務効率化とコスト削減です。RPAやAIなどのデジタル技術を活用することで、これまで人手で行っていた定型業務を自動化し、大幅な時間とコストの削減が期待できます。
例えば、請求書処理、経費精算、顧客対応などの業務を自動化することで、従業員はその分別の業務に集中できるようになります。また、デジタルBPOは、24時間365日の稼働が可能であるため、業務の中断や遅延を防ぐことができます。これにより、顧客満足度の向上や、ビジネス機会の損失を回避することができます。
さらに、データの収集・分析を自動化することで業務プロセスの改善や最適化を支援します。これにより、継続的な効率化とコスト削減を実現できるようになります。
2-2.【メリット】スピードと柔軟性の向上
クラウド環境やAPI連携を活用することで、業務の処理速度が飛躍的に向上して、リアルタイムでの対応も可能になります。変更が必要な業務プロセスもシステム側で調整できるため、従来よりも短期間で業務フローの変更が可能となります。
これにより新商品や新サービスのリリース、法改正への対応など…ビジネス環境の変化に柔軟に対応できる体制が整います。特に業務量の変動が大きい部門やスピードが求められる顧客対応業務においては、大きな強みとなります。
2-3.【メリット】データに基づいた意思決定
業務プロセスから大量のデータを収集・分析し、データに基づいた意思決定を助けてくれます。従来のBPOでは、リアルタイムなデータ分析や将来予測などが人の肌感覚なところがありましたが、データに基づいた結論を出すことができるので、より説得力が増します。
例えば、顧客の購買履歴や行動パターンを分析することで、顧客ニーズを把握してより効果的なマーケティング戦略を立案することができます。また、業務プロセスのボトルネックや改善点などを可視化し、データに基づいた改善策を提案できるようになります。
さらに、データ分析を通じて、不正行為やリスク要因を早期に発見できるようになります。これにより早期に対策を打つことができるようになります。
2-4.【デメリット】初期導入コストと手間が掛かる
導入には、業務の棚卸し・再設計／ツールの選定／システムの構築／担当者の教育など…導入する前に多くの準備・労力が必要となってきます。特にRPAやAIなどの先進技術を使う場合は、外部パートナーとの連携やコンサルティング費用が発生することもあり、初期投資が大きくなりがちです。
また、既存の業務フローを見直す工程も時間がかかるため、短期的な効果は見えづらい傾向があります。社内の理解と協力体制が整っていないと、導入がスムーズに進まないケースもあります。
2-5.【デメリット】業務ノウハウの喪失リスクと対策
続いてのデメリットですが、業務ノウハウの喪失リスクが挙げられます。業務を外部やシステムに依存することで、自社内に業務ノウハウが蓄積されにくくなる可能性があります。特に、高度な専門知識や経験を必要とする業務を委託する場合には注意が必要です。
このリスクを軽減するためには、委託先との連携を密にして定期的な情報共有や研修などを実施することが重要となってきます。また、業務プロセスの可視化やドキュメント化を徹底して自社内に知識を蓄積する仕組みを構築することも有効です。さらに、委託先との契約において、ノウハウの共有やデジタル化に関する条項を盛り込むことも重要になってくるでしょう。
2-6.【デメリット】セキュリティリスクが伴う
業務を外部に委託してデジタル上でデータをやり取りする以上、情報漏洩や不正アクセスのリスクは伴ってきます。これまで紙でやり取りしていた場合は、紙の管理さえしっかりしていれば漏洩する可能性は少なかったですが、デジタル上になるといつ誰が攻撃してくるか物理的に見ることができません。
特に個人情報や企業の機密情報を扱う場合は、セキュリティ対策を徹底してベンダー選定時にセキュリティ対策について入念に確認すると良いでしょう。また、法令や契約による責任分担も明確にしておかなければ、トラブル時に企業の信用を失う恐れもあります。
デジタルBPOを導入してからのセキュリティ対策も当然必要となります。常にセキュリティソフトは最新のバージョンにしておき、なるべく外部からの攻撃をガードできるような仕組みを作っておきましょう。
3.デジタルBPOの事例
3章ではデジタルBPOの具体的な事例を見てみましょう。事例を知ることでより想像しやすくなるのではないでしょうか。
3-1.AIデータエントリーによる効率化
AIデータエントリーは、紙や画像データから情報を自動的に抽出・入力する技術です。手作業によるデータ入力作業を大幅に削減し、業務効率化を実現します。
例えば、請求書、領収書、申込書などの書類をスキャンし、AIが自動的に必要な情報を読み取ってデータベースに入力することができます。AIデータエントリーは、入力ミスの削減や、データ処理時間の短縮にも貢献します。また、OCR（光学文字認識）技術とAIを組み合わせることで、手書き文字の認識精度も向上しています。
これにより、これまで手作業で入力せざるを得なかった手書き書類のデータ化も可能になります。様々な業界で活用されており、特に金融／保険／医療など…の業界で良く活用されています。
3-2.人事DXによる従業員負荷の軽減
人事DXは、人事部門の業務プロセスをデジタル化することで、人事担当者の業務負荷を軽減させるものです。例えば、採用／評価／研修／給与計算など…これらの業務をデジタル化することで、人事担当者の負担を軽減して、よりスムーズに人事サービスを利用できるようになります。
他にも従業員のエンゲージメントを高め、離職率の低下にもつながります。例えば、オンライン研修や従業員サーベイなど…導入することで、従業員のスキルアップや満足度向上を支援することができます。
また、AIを活用したキャリアパス提案やメンター制度なども導入することで、従業員の成長を促進することができます。人事DXは、従業員が会社に定着するという意味でも近年では重要視されている取り組みにもなっています。
3-3.RPAによる定型業務の自動化
RPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）は、ソフトウェアロボットが人間が行う定型的な繰り返し作業を自動化する技術です。
例えば、請求書処理、経費精算、データ入力、顧客対応などの業務を自動化することができます。これにより業務効率化／コスト削減／ヒューマンエラー削減に繋げることができます。既存のシステムを変更することなく導入できるため、比較的容易に導入することができます。
また、プログラミングスキルがなくても、簡単な操作でロボットを作成・設定することができます。様々な業界で活用されており、特に金融／保険／製造など…でよく活用されています。
4.デジタルBPOサービス・委託先の選び方
4章では様々あるデジタルBPOサービスをどうやって選定したら良いのか紹介します。その前に…！デジタルBPOの導入支援をしている弊社の紹介を簡単にさせてください。
弊社はまさにデジタルBPOの導入支援しているシステム開発会社です。システム開発において様々な体制を組むことができるのが強みでオフショア開発、ニアショア開発、オンサイト（常駐型）開発、受託開発など…お客様の状況に合わせてご提案いたします。と、文字だけであればいくらでも語れるのですが、直接話してみた方がスピーディーに進むと思います。なので、弊社の紹介はここまでとして、デジタルBPOの導入を検討している方はお気軽にご相談ください。相談は無料！です。
4-1.自社の課題とニーズを明確にする
デジタルBPOサービスを選ぶ際には、まず自社の課題とニーズを明確にすることが重要です。どの業務を効率化したいのか、どのような成果を期待するのか、どのような課題を解決したいのかなどを具体的に定義すると良いでしょう。課題とニーズを明確にすることで、最適なサービスを選びやすくなります。
例えば、コスト削減を重視するのか、業務効率化を重視するのか、顧客体験の向上を重視するのかなどによって、選ぶべきサービスは異なります。また、自社の業界や業務に特化したノウハウを持つ事業者を選ぶことも重要です。さらに、自社のIT環境やシステムとの連携可能性も考慮する必要があります。課題とニーズを明確にすることで、デジタルBPO導入の成功確率を高めることができます。
4-2.実績と専門性で選ぶ
委託先を選ぶ際には、実績と専門性を確認するようにしましょう。過去の導入事例やどのような業界・業務に強みを持っているのかなど…確認しましょう。また、担当者の知識や経験・資格なども確認することで、より信頼できる事業者を選ぶことができます。実績のある事業者は、様々な課題やリスクに対応できるノウハウを持っています。また、専門性の高い事業者は、自社の業界や業務に特化した最適なソリューションを提供できます。さらに、セキュリティ対策やコンプライアンス遵守など、信頼性の高い事業者を選ぶことも重要となってきます。
4-3.導入後のサポート体制を確認する
システムは入れたら終わりではありません。むしろ導入後のほうが重要ですね。ここで従業員に新しいシステムが染みつかなくては入れた意味がありません。お金を捨ててるだけになってしまいます。
ツールにしろ委託にしろ、導入後の運用支援、保守・メンテナンスなど…必要なサポートが提供されるか確認しましょう。また、サポート体制の充実度だけでなく、対応スピードやコミュニケーション能力も重要です。
日々の業務に関する問い合わせ対応やトラブルシューティング、研修会の開催など、運用に必要なサポートが提供されるかを確認しましょう。保守・メンテナンスでは、システムのアップデートや、セキュリティ対策など、システムの維持に必要なサポートが提供されるかを確認しましょう。
「デジタルBPO」まとめ
デジタルBPOは、企業の業務効率化／コスト削減／データドリブンな意思決定を支援して、企業の成長を加速させるための有効な手段です。企業は、自社の課題やニーズに合わせて最適なサービスを選ぶことが重要となってきます。
また、成功するためには適切なパートナー選びが不可欠です。実績と専門性を持つ事業者を選び、自社の課題解決に貢献できるソリューションを選びましょう。導入後のサポート体制も重要です。導入支援、運用支援、保守・メンテナンスなど、必要なサポートが提供されるかを確認しましょう。
そんな弊社はリプレースを支援する企業の1つであり、システム開発会社です。お客様と一緒になってお客様の課題解決をシステムの提供という形で支援しています。また、様々な体制を組むことが強みでもあり、オフショア開発、ニアショア開発、オンサイト（常駐型）開発、受託開発など…お客様の状況に合わせてご提案いたします。相談は無料！なのでお気軽にお問い合わせください。
