PoC開発とは?アジャイル開発やプロトタイプ開発の違い

PoC開発の記事のアイキャッチ画像

PoC開発をご存知でしょうか。

聞いたことがあるけど、よくわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事ではPoC開発について、アジャイル開発やプロトタイプ開発との違いを交えて解説していきます。

IT企業として20年以上の実績を持つ弊社の蓄積データを活用しながらまとめております。

ぜひお読みいただき、知識を深めていってください。

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1.PoC開発とは

PoC開発について解説していきます。

1-1 その概念やアイデアが実現できるのか検証すること

PoC開発のPoCは「Proof of Concept」の略称で【概念実証】という意味であり、新しいアイデアとかを実際にできる?という視点からお試しでやってみて検証することです。

検証の結果、費用対効果が得られそうだ・技術的に対応ができそうだと判断ができたら実際の開発を行い完成させるという流れになります。

 

システム開発は完成まで時間がかかり費用もそれなりにかかります。

それでいてシステムが予定した効果より低い場合は元も子もありません。

そのためにPoC開発は重要な部分であることが分かります。

 

特に大規模な開発や、あまり事例がない新技術などの開発時のPoC開発は効果的であると考えます。

例えばモンスターストライクなどの有名アプリに匹敵するようなゲームアプリを開発することなど大規模な開発であれば費用も莫大となり費用対効果も重要になります。

その中で、PoC開発をしないことが原因でミスが続き開発が失敗することや開発したが費用対効果が悪すぎるなんてことになれば会社の存続にも関わります。

また、AIをはじめとした新技術は未知数であり開発の失敗のリスクが高くなります。

そのために、事前のアイデア段階で検証をすることによって正しい判断ができ損失のリスクも軽減させることができます。

 

PoC開発と他の手法との違いのイメージ図

1-2 プロトタイプ開発との違い

別記事でプロトタイプ開発については解説しましたが、試作品を作り完成前に確認をする開発手法であり、

PoC開発と似ていることからそれぞれの違いを抑えておくのは重要なことです。

プロトタイプ開発の進め方のイメージ図

ポイントとして、PoCはそもそもできるの?のレベルで検証をするのに対し、プロトタイプ開発では要件定義後にある程度の方向性や完成形が確定した時点でプロトタイプを作り検証していきます。

検証する対象の状態が異なるという違いがあります。

 

また、よくあるケースとしては、PoCで検証を行い要件定義の後にプロトタイプを作り確認する流れとなります。

プロトタイプ開発については、「プロトタイプ開発とは?ウォーターフォール開発との違い」にて詳細をまとめております。

1-3 アジャイル開発との違い

アジャイル開発とは、システム開発のサイクルである、「企画」「設計」「実装」「テスト」を機能単位で回すことを呼びます。

システム開発は様々な機能の集合体からなっています。その様々な機能を機能単位に分解して開発を進めていくことです。

例えば、1つのシステムが機能A、機能B、機能C、機能Dの集合体から成るとした場合、以下のようなサイクルで開発を進めることになります。

アジャイル開発の体制図

PoC開発との違いとしては、PoC開発は開発工程に入る前段の部分でありアイデア段階のものを検証することを指しています。

一方、アジャイル開発は実際の開発をどのように進めるかを指しており、取入れられるフェーズが異なります。

アジャイル開発については、「アジャイル開発とは?メリットやデメリットをわかりやすく解説」にて詳細をまとめております。

 


2.PoC開発のメリット

PoC開発のメリットは費用対効果の推測ができることや、工数や人件費の調整ができることがあげられます。

例えば、検証の結果、費用対効果が悪いと判断できた場合、無駄に開発を進めることがなく工数や人件費を使わずに済みます。

また、事前に費用対効果がイメージできることで販促の強化などスケジュールも組みやすくなります。

実際のユーザーからの声も聞き、完成後の改修の頻度を減らすことへもつながります。

  • 費用対効果が推測できる
  • 工数や人件費の調整ができる

 

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3.PoC開発のデメリット

PoC開発のデメリットは、情報漏洩や時間がかかることがあげられます。

PoCでは実際の環境に近い状況でアイデア段階の検証を行います。

もし、ハッキングなどの外部からの攻撃でそのアイデアが競合他社に漏れてしまったら、自社の利益に大きく影響を与えるリスクがあります。 先に開発されてしまうかもしれません。

また、開発の前段階で検証を行うため、検証が長引けば開発にも影響がでてしまいます。

PoCをしなければこんなに時間がかからなかったなどの事態にならないよう注意しましょう。

  • 情報漏洩のリスク
  • 時間が掛かる

4.PoC開発の進め方

PoC開発の進め方について解説していきます。

4-1 企画・目的設定

今回の検証すべきシステムの概要を整理します。

例えば、システムの導入より、「業務効率を3倍上げる」とか「ユーザー数で5万人を目指す」などの目的を決めます。

ただ、この時点ではシステムとしての実現性などは考慮する必要がありません。

それを検証するのがPoC開発であるため、やりたいことをまとめていきましょう。

4-2 実施内容や検証方法の設定

企画でまとめた内容を基にプロトタイプを作成し検証する準備をします。

人的なリソースや機材など検証に必要なものも調達していきます。

4-3 プロトタイプの作成、検証の実施

実際にプロトタイプの作成を行い検証していきます。

検証にあたってはできるだけ多くの関係者に参加してもらいましょう。

開発者だけの検証では偏りが出る危険性もあります。多くの意見があることでより有意義な検証となります。

4-4 結果の評価

検証した結果の評価を行います。

結果を基にこのまま進められるのか、改良を加えれば進められるのか、ストップさせるべきなのか判断していきます。

判断基準は各社それぞれかと思いますが、今回の結果を参考にまた別なプロトタイプを作成し検証するのも良いかと思います。

しかし、無駄打ちをすればするほど費用と時間はかかってしまいますので、よく検討してから決めましょう。

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5.PoC開発の2つの注意点

PoC開発を実施する上での注意点について2点解説していきます。

5-1 小規模な検証を行い、コストをかけすぎない

アイデアとして企画した全ての内容を検証するより、限定した小規模な検証をおすすめします。

例えば、基本ベースは他社のシステムを参考にしたが、1つの機能だけこれまでにないような画期的な仕様を思い付きその部分だけ検証するなど、全てを検証する必要が無いことも多々あります。

規模が大きくなるほど、プロトタイプの作成に時間がかかってしまい、その分費用もかさみます。

本来、検証をするためだけのPoC開発であり、あまり費用をかけすぎてももったいないです。

5-2 実際の使用環境に可能な限り近づける

実際にシステムを導入する環境の中で検証を行いましょう。

実際には使わないテスト環境などで検証をしても正確な結果が得られない可能性もあります。

 

できるだけ実際の使用環境、ユーザー、状況などを再現しながら検証することで、精度の高い検証結果を得ることができます。


6.こんな時はPoC開発

事前に検証をする必要が無いなど、様々な状況はあるかと思いますが、そんな中でもPoC開発をおすすめするケースについて解説いたします。

6-1 AIなどの新しい技術を搭載したアプリを開発する

AIなどの新しい技術を搭載する場合はPoC開発をおすすめします。

実現の可能性など予測でしか判断できないこともあるかと思います。

特に最近ではAIなど新たな技術も出てきており、不確定要素もあります。

そういったケースでは、実際に実現ができるのかなど検証を進めてから開発に着手することが望ましいと考えます。

開発をしてみたけど、途中で頓挫するなんてことを防げる可能性を高めます。

6-2 大規模プロジェクトを予定しているが費用対効果が読めない開発

多額のコストをかけて開発をする予定がある場合もおすすめです。

特にリスクのあるケースかと思いますので、事前に検証を実施し、開発失敗の可能性を減らしておきましょう。

莫大なコストをかけたが赤字だった場合、最悪会社の存続にも影響しかねません。

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PoC開発のまとめ

PoC開発はアイデア段階の構想を検証することを指しています。

システム開発は良いものができれば大変便利なものとなりますが、開発が失敗してしまうリスクも少なくありません。

高い費用を支払っても出来上がらないという最悪の事態に対処するためにもPoC開発が有効な手立てになるのではないしょうか。

弊社では高品質なシステム開発を売りとしており、機能要件ももちろん非機能要件も正しく分析し、お客様にご満足いただけるシステム開発をご提案しております。PoC開発を外注しようか検討されている方はぜひ一度弊社までご相談ください!

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プログラマー、システムエンジニアを経て2001年にサイバーエイド株式会社を設立。
2008年に株式会社インタラクティブ・コミュニケーション・デザインにジョイン後は、2014年にベトナム・ホーチミンでオフショア開発拠点を立ち上げ、2017年に現地法人ICD Vietnam Limited Liability Companyを創業し現在に至る。
創業以降は東京のみならず、各国内地方拠点(札幌、名古屋、大阪)においても積極的にオフショア開発を推進し、国内のITエンジニア不足の解消を目指す。
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