多重下請け構造とは?発生する原因と対策を解説

多重下請け構造

あなたは今、多重下請け構造について気になっているところではないでしょうか。なぜ多重下請け構造という構造ができてしまうのか、どうやったら多重下請け構造にならずに済むのか、そんな疑問を解決できるように記事としてまとめています。

※本記事ではIT業界における多重下請け構造を解説しています。

まさにそんな多重下請け構造の中に巻き込まれているシステム開発会社に所属している私が多重下請け構造について解説します。

弊社はIT企業として20年以上の実績があり、これまでの経験から多重下請け構造を回避する方法も含めて解説していきたいと思います。ぜひお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。

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1.多重下請け構造とは?

1章では多重下請け構造の概要について解説します。

多重下請け構造のイメージ図

1-1.多重下請け構造とは、業務を下請け会社へ委託すること

多重下請け構造とは、すべての業務または業務の一部を下請け会社へ委託する構造を指します。下請け会社からさらに別の下請け会社へ委託するケースも多く、これが連続していくので「多重」と言われています。

多重下請け構造は海外ではほとんど発生することはありません。日本ならではの構図と言われています。では、海外はなぜ多重下請け構造にならないのか…オフショア開発を活用しているからです。例えば、アメリカは90年代は多重下請け構造が当たり前になっていましたが、オフショア開発でインドに拠点を作る等して、多重下請け構造から脱却した過去があります。それが今でも継続されています。

1-2.多重下請けの契約形態について

IT業界においては、主に3つの契約形態があります。

契約形態

報酬の対象

指示系統

契約期間

準委任契約

人×時間

受注者

柔軟に調整可

請負契約

成果物

受注者

契約時に決定

派遣契約

人×時間

発注者

契約時に決定

  • 準委任契約:

人材に対して報酬が発生することです。契約時点で月に何人・何時間稼働させるか予め決めます。基本的にはその範囲内で人材を活用し、その人材が稼働した分報酬として発生します。

 

  • 請負契約:

契約時点で予め決められた納品物の仕様等があり、受注者はそれを達成するためにリソースを割いていくことになります。

 

  • 派遣契約

人材に対して報酬が発生することです。契約時点で月に何人・何時間稼働させるか予め決めます。準委任契約との違いは指示系統にあります。準委任契約の場合は管理者が受注者となり指示も受注者から出す必要がありますが、派遣契約の場合は発注者が直接指示することができます。

 

準委任契約と請負契約の違いについては、以下の記事に詳細を記載しています。

「請負契約と準委任契約の違い|それぞれが持つ責任や義務の違いを解説」

 


2.多重下請け構造が発生する原因

なぜ、多重下請け構造のような構造が発生してしまうのでしょうか、、すべて最初の会社が丸っとできれば済む話では?と思うところですが、様々な理由があります。

2-1.専門性を問う結果、多重下請けになる

まず、IT業界はその分野に特化したエンジニアが必要になります。様々な言語が存在する中で扱う言語を使える人は限られていることが多いです。

そこで、自社で対応しきれなくなり、やむを得ず外部の専門エンジニアを入れるしかなくなります。その専門エンジニアが1社先の会社だけで賄うことができなくなると、さらにもう1社先に依頼する。そのようなことが繰り返され、多重下請け構造となっていきます。

2-2.人がいない結果、多重下請けになる

1点目と同じようなところで、自社の社員だけでは人数が足りずに足りない分を外部に依頼するケースです。大規模な案件になるとエンジニアが100人必要なケースもあります。100人を1社だけで賄うのは現実的ではなく、別の会社にさらに助けを求めることになります。

2-3.コストを抑えたい結果、多重下請けになる

企業は利益を最大化にするためにコストを抑えたがります。自社でエンジニアを社員として採用するよりも外注した方が安く済むため、人材を確保するまで、人伝で伝言ゲームになることがあります。

 

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3.多重下請け構造の問題点

3章では多重下請け構造によってどのような問題が生じるか解説します。

3-1.責任の所在が分かりづらい

3次請け、4次請けの従業員が何かトラブルを起こした際に誰が責任を取れば良いのか曖昧になることがあります。基本的には契約を締結する際に責任の所在について明記することが多いです。再委託等であれば再委託した側が責任を負うのが一般的です。

3-2.人材への報酬が少なくなる

深い層にいくほど報酬は少なくなります。それぞれの企業でマージンとしていくらか抜いているためです。ビジネスのためなら仕方ない部分かもしれませんが、従業員に還元できるお金も少なくなってしまうので、なるべき上位で仕事が取れるような営業努力も必要になります。

3-3.人材が育ちにくい

基本的には、1つのプロジェクトにおいて多重下請け構造というのが成り立つので、当該プロジェクトが終わったら外部の人たちとはお別れすることになります。同じチームで新しいプロジェクトをやるケースはほぼないでしょう。

そのため、個としてもチームとしても育ちづらいところがあります。同じ社員でチームができればみんなで切磋琢磨して成長することはできそうですが、、

 


4.多重下請け構造を避けるための開発手段

多重下請け構造を解説してきましたが、多重下請け構造を避けてシステム開発する方法はあるのでしょうか…やり方を工夫すればあります。どうしたら良いか4章では解説します。

4-1.オフショア開発を活用する

国内とオフショアのチーム編成

1章でも少し触れましたが、多重下請け構造は日本ならではの構図です。そしたらアメリカ同様に日本も海外に目を向けてみてはどうでしょうか?海外の開発拠点を活用したシステム開発をオフショア開発と呼びます。

オフショア開発であれば、その拠点にいるメンバーだけで開発を進めるケースがほとんどです(SESのような文化も有りません)。

 

弊社の実例を紹介します。弊社では、ベトナムに拠点を持っています。クライアント様からオフショア開発で発注を受けた際に人材が足らないときは現地で新規採用します。求人を1ヶ月出すと、約50名からの応募が来るような状況が当たり前となっています。そのため、新規で自社のエンジニアとして採用して体制を組むことができます。多重下請け構造にはならないですよね!

現地エンジニア達は日本人のブリッジSEに面倒を見られているので、ブリッジSEがしっかりとグリップを握っているのでご安心ください。

 

そんな、オフショア開発についての詳細は以下の記事をご参照ください。

「オフショア開発でベトナムをおススメする理由と会社選びのポイント」

 

ブリッジSEとは、、「ブリッジSEとは?オフショア開発で欠かせない理由と役割を解説」

4-2.自社社員だけで対応できる会社を探す

オフショア開発は少しハードルが高いという方には国内でその会社だけで対応できるような会社を探すと良いでしょう。プロジェクトの規模にもよりますが、大きい規模だと国内で見つけるには苦労するかもしれません。

国内でもニアショア開発を活用したシステム会社もあるので、そのようなところに聞いてみると可能性は広がるかもしれません。ニアショア開発の詳細は、「ニアショア開発とは?メリット・デメリットや企業の選び方」の記事をご参照ください。

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「多重下請け構造」のまとめ

本記事では多重下請け構造について解説してきました。多重下請け構造は日本ならではの構造という部分も有ります。少子高齢化により、よりこの構造が顕著になるのではないでしょうか。この状況を打破するためには海外の力を借りるしかありません。少子高齢化も長続きしそうですし、、最近は外国人が増えたから治安が悪くなった等…聞くことがありますが外国人を受け入れつつお互いに良好な関係をどのように築くことができるのか、そこを考えないと前には進めないのではないかと考えます。今後さらに人手不足になるのですから…

ということで、オフショア開発が気になる方はお気軽にお問い合わせください。相談は無料!です。

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ベトナムのエンジニアマーケットから人員調達ができるため、お客様が必要とする人員数を当社のみで提供できる強みがあります。

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