あなたはベトナム人エンジニアの給料を知りたくありませんか?
ベトナム人エンジニアと共に働く上で、相場を知らずに割安な給料にしてしまうと不公平感が募りますし、平均を大きく上回る給料にしてしまうとコストが余計にかかってしまいます。
また、ベトナムの企業に外注をする際には標準的な給料を知らないと、提案された人月単価が妥当か判断する事が出来ません。
そこで、本記事では経験年数、プロジェクト、開発言語、開発拠点などの観点からベトナム人エンジニアの給料を解説します。
ベトナムのIT業界求人サイト大手であるITViecが、2207人を対象に実施した調査結果を情報元としているため、非常に信頼のできる内容になっています。
様々な切り口からベトナム人エンジニアの給料水準を把握し、プロジェクト成功のための判断材料としてご利用ください。
※本記事では執筆時点のレートである1ベトナムドン=0.006円として、引用元資料から換算しています。
目次
1.ベトナム人エンジニアの給料は平均21万円
ベトナム人エンジニアの月収は日本と比較すると非常に低く、経験1年の場合は6万円となっています。
ここから経験年数をまたいだ平均をとると、平均月収はおよそ21万円となります。
一方IT関連産業の給与等に関する実態調査結果 |経済産業省によると、日本のエンジニアの職種別平均年収は568.5~928.5万円となっています。
これは月収に換算すると47~78万円となりますので、職種を加味しない場合は人件費を半分以下に抑えられるということになります。
しかし当然ながら経験年数や職種によって平均値も大きく変わるため、プロジェクトやメンバーの都合に合わせて詳細な検討が必要です。
まずは職種別にベトナム人エンジニアの給料を確認しましょう。
2.ベトナム人エンジニアの最も給料が高い職種はコンサルの38万円
※横軸の「勤続年数」は該当職種としての勤続年数の中央値
※出典元では「コンサルタント」ではなく「Solution Architect」と記載されていますが、これはシステム構成を含めた設計を行う職種であり、日本のコンサルタントに該当するため、「コンサルタント」として訳しています。
職種別にみた場合、月収の中央値が最も高い職種はコンサルタントでした。
コンサルタントやPL, PMは専門知識が必要なうえ管理能力も求められるため、高い給与水準となっています。
テスターやフロント/バックエンドエンジニアなどのプログラマに該当する職種では、日本と比較してもかなり安い給与水準となっています。こういった比較的単純な役割を求めている場合にオフショア企業を活用すると、コストメリットが出せるかもしれません。
3.製薬業界で働くベトナム人エンジニアの給与平均は29万円
給与平均を業界別に比較すると製薬業界が最大の29万円という結果が出ました。
製薬業界の開発拠点がホーチミンに偏っていることも、全国平均を押し上げている要因です。
また、ハノイは行政の中心地であるため政府機関や法律事務所が集中しています。
そのため会計や法務に関するITシステム開発はハノイで盛んとなっており、平均月収がホーチミンよりも3万円以上高くなっています。
一方ダナンはホーチミンやハノイと比べると人口や経済発展の度合いで見劣りするものの、ゲーム業界においては突出して高い平均給与を誇っています。
物価の低さと、リゾート地として有名な美しい環境を兼ね備えているダナンは過ごしやすさでは抜群です。
そんな環境だからこそ、創造性が必要なゲーム業界の開発が盛んなのかもしれません。
4.ダナンの平均給料はホーチミンより約2割安い
地域ごとに比べると、ホーチミンよりもダナンの平均月収が約2割安い事がわかります。
また、実はベトナムの首都であるハノイとダナンではあまり差がありませんが、これはホーチミンがIT産業の中心地となっている証拠かもしれません。
実際、出典元のITViecによるレポートの調査対象者の居住地域を見るとほとんどがホーチミン在住者だとわかります。
調査対象者がホーチミンに偏った可能性もありますが、これまで見てきた賃金の差を加味すると、IT産業の中心地はホーチミンといっても良いかもしれません。
5.ベトナム人女性エンジニアの平均給与は18万円
ITViecの調査対象者2207人のうち2割が女性であり、そのベトナム人女性エンジニアの給与は男性よりも約4万円低い17.8万円でした。
この差はベトナム人女性エンジニアの職種が直接的な原因となっています。
職種の内訳をみると、テスターやQA/QCなど比較的専門性の低い職種に就いている方が多い事がわかります。
日本と同じように、産休などのイベントが控える女性が専門的なキャリアを築くのはまだ難しいのかもしれません。
6.オーストラリア/ニュージーランド企業の平均給与が最大の34万円
最後にベトナムにおけるIT企業のうち、企業の国籍ごとの平均給与を比較しましょう。
オーストラリア/ニュージーランド企業の平均給与が34万円と群を抜いて高い事がわかります。
これらの国の物価が高い事に伴い、給料も高い事が理由として考えられます。
また、日系企業におけるベトナム人エンジニアの給料は他の外資系企業と比べると低い結果となりました。
4.まとめ
本記事ではベトナムIT業界求人サイト大手のITViecが発行した2023年のレポートを基に給与関連情報をまとめました。
日本よりも給料が安いことは変わらないものの、業界やポジションによって給与体系は大きく異なるため、ご自身のプロジェクトに応じてデータを参照する事が大切です。
弊社では開発に関するご相談をお受けしておりますので、お悩みの方はどうぞお気軽にご連絡ください。