この記事をお読みになる方は、現在、自社のリソース不足などで、外注できるWEBデザイナーをお探しではないでしょうか。
初めてデザインを外注する方にとっては、探し方や依頼方法がわからず、お悩みの方も多いかと思います。
弊社は設立以来、システム開発を軸に、ユーザーニーズや目的に基づいてUI/UXを構築する「クリエイティブソリューション」を通じて、多くの企業様のプロジェクトに関わらせていただいてきました。
本記事は、WEBデザイナーを擁するIT企業としての立場からにはなりますが、WEBデザインを外注するメリット・デメリットや、費用相場などについて、WEBデザイナー目線も含めながらお伝えいたします。
ぜひ、検討の参考にしていただければ幸いです。
目次
1.外注WEBデザイナーに依頼可能な作業範囲
WEBデザイナー個人のスキルによりますが、基本的に依頼できる内容は下記の3つになります。
①レイアウト作成
②デザイン制作
③コーディング(ページ起こし作業)
コンセプト設計から携わるWEBデザイナーも一部いますが、基本的にはコンセプト設計は、依頼者側やWEBプロデューサーやディレクターがまとめるケースが多いため、ここでは割愛します。
それでは、具体的にどのような作業なのかをご説明します。
補足:デザイナーから少し補足させていただくと、掲載文章や使用希望の写真データ等があれば最初からお渡しいただけると大変助かります。
なぜかというと、最初からその文章量や写真データ等に合わせてデザインができ、確認がスムーズにできるためです。
ダミー文書や写真データですと、後で差し替えた時に、文章量や写真によってはデザインを調整する修正が発生することもあるので、あまりお勧めできません。
1-1.レイアウト作成
WEBサイトのページのレイアウト(通称:ワイヤーフレーム、構成)の作成はデザイナーに依頼可能です。レイアウトは、何をどのようなボリュームで、どのような配置にするのか決めるために作成します。
例えるなら、家でいう見取り図のようなものになります。
見取り図ではリビングがどのくらいの大きさで、どの位置にあるのか、概要を把握できますが、WEBサイトのページでも同様のものをまずは作成します。
バナー画像のみ作成する場合などは作成しない場合もあります。
なお、進行管理をするWEBディレクターがついている場合には、ディレクターが作成するケースが多いためディレクター費用に含まれることもあります。
補足:依頼者側でレイアウトを作成すれば、この費用はかかりません。
依頼者側で作成し、外注先に意見を求めるのも一つの手です。
1-2.デザイン制作
レイアウト決定後、情報をデザインに落とし込む作業を行います。
色や装飾、文字の大きさの強弱などをつけ、実際にWEBで表示されるデザインを画像で提示されます。
パソコン版のデザインと、スマートフォン版のデザインと両方のデザインを希望する場合には、最初の依頼時に伝達しておきましょう。
何も言わなければ、パソコン版のみのデザインだけになるケースもありますので、ご注意ください。
補足:WEBは、紙媒体やのぼり旗などの実物があるものと違い、各個人のパソコンの明るさや、
色相設定によって色味が変化しますので、予めご注意ください。
なお、WEBデザインで既にあるロゴを組み込んだデザインを依頼する場合には、色味の差異を少なくすることも考慮してロゴのレギュレーションも依頼時に伝達しましょう。
デザイナー目線からも少し補足すると、よくあるご質問として「修正は何回までですか?」というお問合せをいただきますが、正直、修正は無ければ無い方が嬉しいです。
軽微な文字修正などは見積もり範囲で対応できますが、修正というよりも、パターン出しレベルの大きなデザイン修正になってしまうと申し訳ないですが、追加でお見積もりをさせていただくケースもあります。
大きな認識のズレが無いよう、デザイナー側としても、最初の依頼時に具体的なデザインイメージのすり合わせをさせていただけると大変ありがたいです。
1-3.コーディング
コーディング(WEB用にみられるよう、ページ起こしをする作業)も、多くのWEBデザイナーに依頼することができます。(一部NGのWEBデザイナーもいますので、依頼時にご確認ください。)
なお、お問い合わせフォームのページ起こしまでは問題ないが、プログラムの組み込みはNGの場合もありますので、予めご確認ください。
補足:WEBデザインのみを外注WEBデザイナーに依頼し、コーディングは社内WEBデザイナーに
依頼することもできます。ただ、その際は、外注デザイナーにデザインデータを納品して
もらえるか確認しましょう。一部のデザイナーはデザインデータ納品NGの場合があります。
2.外注WEBデザイナーの費用相場
下記の表に、おおよその費用をまとめました。ページ単位でみても、費用が大きく異なることがお分かりいただけるかと思います。
デザイナーの費用は、デザイン要素の多さや複雑さなどに依存するため、おのずと費用に幅が出ます。
例えば、最も人の目に触れるトップページは、特にメイン画像を含めてデザインへの作りこみが発生するため、高い費用相場になります。
ランディングページも同様に、デザインの作りこみや、ページ自体が長くなるため、高くなりがちです。
逆に、テンプレートを利用したデザイン制作などは、作りこみが少なくなる分、費用が安くおさえられます。
項目 | 費用相場 |
---|---|
トップページ | 50,000〜130,000円 |
下層ページ(1ページあたり) | 20,000〜70,000円 |
派生ページ(1ページあたり) | 10,000〜35,000円 |
ランディングページ(1ページあたり) | 60,000~200,000円 |
バナー(1枚あたり) | 3,000〜50,000円 |
レスポンシブ対応(スマートフォン対応) | 1ページあたり20,000〜70,000円追加 |
(引用:Web幹事 https://web-kanji.com/posts/web-design-price)
(引用:比較biz https://www.biz.ne.jp/matome/2009733/)
弊社のデザインに直接関わり外注も対応するなど精通したメンバーなどに独自調査をしたところ、
上記の相場と多少誤差がありましたが、近しい相場感になりました。
項目 | 費用相場 |
---|---|
トップページ | 50,000〜200,000円 |
下層ページ(1ページあたり) | 15,000〜50,000円 |
派生ページ(1ページあたり) | 10,000〜35,000円 |
ランディングページ(1ページあたり) | 50,000~250,000円 |
バナー(1枚あたり) | 2,000〜30,000円 |
レスポンシブ対応(スマートフォン対応) | 1ページあたり20,000〜70,000円追加 |
なお、細かい点になりますが、デザイナーが利用する写真やイラストデータは無料か有料か、著作権に問題が無いかどうかも確認しておきましょう。
全てのデータを依頼者側で準備できれば問題無いですが、有料の写真素材をデザインに使用する場合、後から追加見積もりになることもあります。
また、デザイン完了後にデザインの元データが必要な見通しがある場合は、依頼時にデザイナーに元データの納品可否を確認しておきましょう。
デザイナーによっては元データの納品がNGの場合があります。
3. WEBデザインを外注すべきか迷った時の9のチェック項目
WEBデザインを外注すべきか、内製にすべきか、迷った方のためにチェックシートをご用意しました。
いくつあてはまるか確認し、選定の参考になさってください。
No | 項目 | チェック |
---|---|---|
1 | WEBデザインのノウハウが無い 例:自社内にデザイナーはいても、紙媒体のデザイン知識しかない | □ |
2 | デザインを急いでいる 例:リリース日が決定しているが、自社リソースだけではリリース日に間に合わない | □ |
3 | デザイナーのリソースを確保できない 例:自社内にWEBデザイナーはいるが、新規案件を担当するリソースが無い | □ |
4 | 社内にデザインのノウハウを蓄積しなくても良い 例:今後は他社にデザインを任せる想定のため、自社内で知識を蓄積する必要が無い | □ |
5 | デザイナーを育成する時間がない 例:採用コストはあっても、自社デザイナーに新人育成のリソースが無い | □ |
6 | 単発でデザインを依頼したい 例:デザインの依頼頻度が高くないため、案件の発生単位でデザインを依頼したい | □ |
7 | 必要に応じてデザイン予算を割きたい 例:デザイナーに関わる設備費やマネジメントコストを抑えたい | □ |
8 | 案件ごとにデザイナーを変えたい 例:案件ごとに要望が変化するため、都度デザイナーを選びたい | □ |
9 | 社外の客観的な視点でデザインを制作してほしい 例:社内の視点だけでなく、他の視点からのデザインが欲しい | □ |
いくつ当てはまったでしょうか。1つでも当てはまる方は、WEBデザインの外注をお勧めします。
上記にリストアップしている項目は、WEBデザインを外注した場合に「解決できる」もしくは、外注をした場合の「メリット」といった項目になります。
当てはまる数が多いほど、現在ご検討中のデザイン案件は、外注に向いていると言えます。
4.外注WEBデザイナーの探し方
外注WEBデザイナーの探し方として、下記の3つの探し方をご紹介します。
①デザイン事務所、WEB制作会社、広告代理店
②フリーランス
③SNSなど
①デザイン事務所、WEB制作会社、広告代理店
会社に所属するデザイナーを紹介してもらうというのも一つの方法です。
デザイン事務所や制作会社は、社員としてデザイナーが所属しており、会社を通じて依頼をするため、デザインの完遂という点では最も安心できる依頼先と言えます。
②フリーランス
外注デザイナーサービスとして、下記のようなクラウドソーシングサービスを通じて、フリーランスのデザイナーを探し、デザイン依頼をすることもできます。
フリーランスのため、費用も比較的安価に抑えられることが多いと言えます。
しかし、安く依頼したけどクオリティが低くて使えず、結局高いデザイナーに依頼し直すというケースも少なからずあります。
安価なデザイナーから高い方など幅広いデザイナーが存在します。
自身の目的と予算に応じた最適なデザイナー選びをしましょう。
外注デザイナー探しに役立つ3つのクラウドソーシングサービス:
- クラウドワークス (リンク先:https://crowdworks.jp/)
- ココナラ(リンク先:https://coconala.com/)
- ランサーズ (リンク先:https://www.lancers.jp/)
③SNSなど
SNSなどを活用して、デザイナーを探す方法もあります。
SNSで実績を確認できるということや、デザイナー自身が発信している情報を基に人柄を判断するなどといったことができます。
ただ、デザイナーを探すところからご自身で行う必要があるため、人材探しに時間がかかると言えます。
5.優秀なWEBデザイナーを見分ける4つのポイント
①ポートフォリオ(実績)を確認する
デザイナーのスキルは個人差があります。
ポートフォリオ自体のデザインもそうですが、ポートフォリオを通して、得意とするデザインの傾向や情報のまとめ方等を確認しましょう。
依頼者側の求めるスキルに達しているかを、ある程度把握できるはずです。
②コミュニケーション能力を確認する
依頼者側とのコミュニケーションに違和感が無いかという点も確認しましょう。
例えば、レスが遅いか早いか…という点も安心材料になります。
また、実績の一つについてデザイン経緯を質問し、デザインの具体的説明ができるか…といった点も、判断材料となりえます。
優秀なデザイナーは、受注背景を理解した上で、きちんと理由を持ってデザインをしています。
③同業種での経験を確認する
依頼する側と同じ業種での経験があれば、その実績を見せてもらうのも一つの参考材料になります。
一度でも経験があれば、依頼意図の理解が早いことや、業種知識を踏まえたうえでのスムーズなデザイン制作を期待できます。
また、同業種ではどのようなデザインをしたのか参考にもなります。
④デザイナーとしての経験年数を確認する
経験年数だけで判断するのが難しいと思いますが、おおよそ3年以上が目安になります。
また、商業系の業種などは経験年数により質が左右されることもあるため、必ず確認をしましょう。
4つの見分けるポイントを全てクリアした場合、そのデザイナーへの依頼を前向きに検討してみましょう。
6.外注WEBデザイナーへの依頼流れ
外注WEBデザイナーへの依頼は、下記の(1)~(9)の流れで進められます。
(1)依頼概要をまとめる
発注企業側で、会社名、担当者名、予算、納期、依頼内容、依頼背景、納品形式、素材の有無、コンセプト、デザインイメージ、配置イメージ、対応デバイスなどをまとめておきます。特に、デザイン依頼は具体的に行いましょう。
(2)外注デザイナーを探す
4章で触れましたが、①デザイン事務所・WEB制作会社 ②フリーランス ③SNSなどを通してデザイナーを探します。そして、(1)でまとめた依頼概要を伝達します。
(3)外注デザイナーの最終決定
5章で触れた3つのポイントに注意しながら、デザイナーの実績・デザインスキルやコミュニケーションを確認しましょう。デザイン事務所やWEB制作会社であれば、最終決定前にミーティングも依頼できるケースが多いので確認しましょう。決定後、デザイン著作権を含めた契約書の取り交わしを行ってください。
(4)外注デザイナーへ依頼
(1)の内容は細かく伝わっていることを前提とした上で、この時点で時に特に気をつけたいのは、スケジュールを具体的に確認することです。極端な例ですが「週末にデザインアップします」と言われた場合、「週末は何日の何時なのか」を具体的に聞くなど、スケジュール遅延が起きないように注意しましょう。また、素材や納品などの受け渡し方法についても確認しておきましょう。ページデザインとなるとメールでは送れないことも多く、意外とトラブルになりやすいです。
(5)外注デザイナーにて制作~提出
デザイナーがデザイン依頼をもとにデザインを制作します。具体的なデザイン依頼をしていれば、問題ないデザインが上がってくるはずです。デザイナーにデザイン理由も確認しましょう。
(6)フィードバック~修正
デザインに調整があれば、理由を添えて具体的に依頼をします。また、ダミー文書やダミー画像などの差し替えがあれば、差し替えを行います。
(7)デザイン決定~コーディング作業
デザイン決定後、コーディング作業に入ります。動きの指定などがなければ、基本的には動きが無い状態でのページ起こし作業になります。
(8)テスト・修正作業
依頼者ご自身のパソコンやスマートフォンで、あがってきたWEBページを確認しましょう。リンク先など、動きに問題がないかを確認し、修正があれば依頼します。
(9)納品
納品物を確認し完了となります。
外注デザイナーへの依頼で一番悩ましいのは、デザインイメージの伝達かと思いますが、依頼者側でまとめた、具体的イメージを詳しく伝えることで、依頼者・デザイナー双方にとって達成感のあるプロジェクトになるはずです。
また、スケジュールも確認しながら進めることで、スムーズな進行につながります。
また、依頼してから納品までの期間は最短でも2週間~1カ月程です。
もちろん、依頼するページ数や内容などにもよりますので、あくまで最短の参考としてお考え下さい。
例えばランディングページであれば2~3週間、3ページ程度のWEBサイトであれば3~4週間が目安になります。
7.まとめ
ここまで、WEBデザインを外注する流れなどをデザイナー目線も交えながらご紹介しましたがいかがでしょうか。
本記事が、外注WEBデザイナーを探されている方の参考になれば幸いです。
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