「技術的負債」というワードを聞くと何かマイナスな要素を持っていそうなイメージが強いですね。そんな「技術的負債」について本記事では紹介していきます。
企業が資金の借り入れを行った際など何か物を借りたときに「負債」と言いますが、今回ご紹介する「技術的負債」はシステム開発の業界用語みたいなところに当たります。
弊社はIT企業として20年以上の実績があり、蓄積したデータを活用しながらまとめております。ぜひお読みいただき、知識を深めていただけると幸いです。
目次
1.技術的負債とは将来に発生するコストのこと
技術的負債とは将来に発生するコストのことを指しています。
システム開発などで使われるケースが多く、とにかくリリースすることを最優先にして後先考えずに確認もせずに完成させてしまったケースや修正すべき箇所などを後回しにしてしまったいわゆる「その場しのぎ」のケースなどが技術的負債となります。
この2つのケースではシステムのバグやエラーなどが後から発生する可能性が高く、修正や追加開発などの
将来的に背負う必要のある負債となり、費用や人的リソースなどを準備して返済していく必要があります。
当然、技術的負債とならないために、注意深く開発を行うことも重要ですが、
後述している通り、あえて負債としているケースもあるためすべてが悪いとは一概には言えないということも抑えておきましょう。
2.技術的負債の発生原因
技術的負債は意図したものもありますが、意図しない負債の原因について解説していきます。
原因としては、
- スキル不足
- 無理な納期設定
- 先送り文化
などがあげられます。
スキル不足は、記載したコードの品質の良し悪しが判断できず、システムを使用し続けている過程でバグやエラーが発覚するケースです。
単にシステムが動作するだけのコードはかけても、増加する情報の処理が円滑に進めることができないなど、スキル不足による影響が発生原因になる可能性があります。
無理な納期設定はありがちな発生原因かと思います。
当然理由があってのことかと思いますが、無理やりねじ込むようなスケジュールでは完成が優先されて、品質などは後回しにする必要があります。
そのような状況により、技術的負債となり返済に追われることになります。
先送りの文化は、企業の性格にもよりますが、優先順位の判断で行われるべき修正が先送りされることによって技術的負債となります。
またよくあるブラックボックスも原因となることもあり、それぞれの意識の問題かもしれませんが、注意深く開発を進めていくことが重要になります。
3.技術的負債の種類
次に技術的負債の種類について解説していきます。
1章でも触れましたが、意図的に行う負債もあることから、正しく整理していきましょう。
3-1 意図的な技術的負債
意図的な技術的負債とは、あえて負債とすることで、製品を迅速に市場に投入するために行われます。
企業の戦略的な意図が含まれますが、いち早く市場に投入することのメリットの方が大きいと考え、負債は後から計画的に返済した方が効果的であるケースです。
当然、不安定さや低パフォーマンスなシステムである可能性があることからリスクも存在しますが、それ以上に市場の先駆者的なポジションが狙えるなどメリット大きい場合に行われます。
3-2 意図しない技術的負債
意図しない技術的負債とは、上記の2章で解説した通りの原因となる事象が発生し生まれる負債です。
意図していないため返済計画などもなく、ネガティブなものとなります。
返済するための人的リソースや費用などを準備する必要があり、企業にとってはマイナスが大きいものとなります。
そのため、思わぬ2次的な影響を発生させる前に素早く返済することをおすすめします。
3-3 環境による技術的負債
開発されたシステムの管理など怠った場合に発生する負債です。
システム開発では、日々新しい技術が開発されて導入されており、動きが早い環境にあります。
そのため、環境に合わせたアップデートや管理などは常に行う必要があり、アクティブである必要があります。
正しく管理できていない場合、システムの稼働が停止したり、不便なシステムへと時間をかけて進行していきます。
4.技術的負債による影響
技術的負債による影響で最も大きいのはユーザーからの不満です。
それが意図的であろうとなかろうと、使用するユーザーからしてみれば裏事情なんぞ知らないため、早く修正することでしか不満の解消にはなりません。
とはいえ、全てのユーザーから不満がでることはさすがに少ないと思いますが、小さな不満が募り続けることでユーザー離れの原因にもなります。
そのため、優先順位は付けつつも、迅速な対応が必要です。
また、セキュリティリスクの増加や開発全体のコストの増加も影響の1つになります。
品質の悪さからくるセキュリティの脆弱性が考えられ、サイバー攻撃に耐えられない可能性があります。
そして、負債を返済するためのコストも負担になります。時間や人的リソースなどの費用を企業が負担する必要があり重荷になること間違いありません。
5.技術的負債の管理方法
技術的負債の管理方法についてみていきましょう。
管理するためには下記の点に気を付けましょう。
- 返済のスケジューリング
- 技術的負債の特定
- 技術的負債の優先付け
これらの項目は抑えておきましょう。
前述している通り、意図している負債であれば計画を立てつつ返済を進めるため管理も容易になりますが、特に意図していない場合はしっかりと管理を行いましょう。
返済までのスケジューリングや負債の特定を行い、影響度がどの程度あるのかなどを明確にしておき、必要とあらば追跡を行い正確に把握しておくことも重要です。
6.技術的負債の返済方法
負債の返済は至ってシンプルです。
返済のスケジュールに沿って、追加開発や修正などのデバックを行い完済に向けて進めます。
その過程で当然費用も発生することもあります。
意図していない場合予期せぬコスト増にもなり得ますが、放置するよりかは良いのではないでしょうか。
手法としては、システムの外部を変えず内部のコードを改善するリファクタリングやテストを強化すること、経験者のエンジニアをチームに迎えるなどの方法で返済を行っていくケースが多いかと思います。
ともあれ、計画的に返済を進めることが重要です。
また、返済を行うためには自力か外注かを検討する必要もあります。
自力で行うには返済ができるような経験やスキルを持つエンジニアを揃える必要があります。
確実に返済ができるエンジニアを揃えることができない場合は外注を検討しましょう。
外注であれば、システム開発のプロが対応します。コストはかかるものの、安心して任せることができます。
例えば、返済を進めている途中で再度負債になってしまうような悪循環もケアでき、早急に負債の返済が進められるでしょう。
負債の返済でお困りであれば、下記問い合わせ「株式会社インタラクティブ・コミュニケーション・デザイン」までご連絡お待ちしております。
まずは相談ベースでも大丈夫です!
7.技術的負債を事前に防ぐためにすべきこと
意図していない負債については、10年近く経験を積んでいるエンジニアを開発チームに入れることや無理な納期は断ること、気づいたミスはすぐに対処することなど、基本的な事ですが徹底すると意図しない負債は減っていくと考えます。
まとめ
技術的負債は様々な理由はあるにせよ、システム開発におけるミスを先延ばしにすることであり、いずれは返済を行う必要がある技術的要素のことを指しております。
中には意図した負債もありますが、完済に向けたスケジュールやエンジニアの配備、開発物の見直しは重要となります。もし技術的負債にお困りの方で外注を検討している方は、弊社までお気軽にお問い合わせください!
弊社は会社を立ち上げたから25年が経ちます。長年の経験からシステム開発の手段について様々アドバイスできると思います。相談は無料 です!